健康経営優良法人のメリットとは?注意点や取得方法まで解説

従業員の健康を経営に取り入れる「健康経営」は、企業の持続可能な成長に不可欠な取り組みとして注目されています。その中で、健康経営優良法人認定は、従業員の健康維持や健康促進に積極的に取り組む企業を評価し、その価値を広く社会に発信する制度です。 今回は、健康経営優良法人の概要や認定のメリット、さらに取得方法について詳しく解説します。自社の健康経営を次のステップへ進めるヒントをぜひ見つけてください。


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健康経営優良法人とは

健康経営優良法人とは、経済産業省と日本健康会議が主導する顕彰制度です。この制度は、従業員の健康を経営の一部として重視し、積極的に健康経営を実践している法人を社会的に評価して見える化します。

目的は、従業員・求職者・関係企業・金融機関などから社会的な評価を受けることができる環境を整備することです。従業員の健康維持や健康促進に取り組む法人を認定し、健康経営の推進をサポートします。

健康経営優良法人の定義

健康経営優良法人は、従業員の健康を重視する経営を実践し、具体的な取り組みを行っている法人を認定する制度です。この認定は、健康経営の社会的価値を高め、企業間の差別化を促進することを目的としています。また、健康経営の取り組みが広がることで、社会全体の健康意識向上にも寄与します。

健康経営優良法人の認定基準

健康経営優良法人の認定基準は、下記のような項目に基づいて評価されます。

・経営理念・方針の明確化
・組織体制の整備
・健康経営課題の把握と対応方針の策定・実行
・評価・改善
・法令遵守やリスクマネジメントの実施

これらの基準に基づき、企業の健康経営活動が評価され、優良法人として認定されます。詳細な認定基準については、経済産業省の公式ページをご覧ください。

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健康経営優良法人認定の4つのメリット

健康経営優良法人の認定を受けることで、企業は多くのメリットを享受できます。ここでは、認定を受けることで得られる具体的なメリットを解説します。

メリット1|企業イメージが向上する

健康経営優良法人として認定されることで、社会的信用が高まり、企業イメージを大幅に向上させることが期待されます。顧客や取引先などのステークホルダーに向けて、健康経営に真摯に取り組んでいる姿勢を社会にアピールすることが可能です。

また、認定マークを活用すれば企業ブランディングに活用できるため、他社との差別化を図る上で有効でしょう。

メリット2|採用活動で優位に立てる

健康経営に取り組む姿勢は、求職者にとって大きな魅力です。働きやすい環境を提供している企業として認識されることで、応募者の関心を集めやすくなり、採用活動を円滑に進めることができます。

また、従業員の健康や働き方を重視していることを明示することで、企業としての信頼感を向上させる効果も期待できます。

メリット3|業務効率と生産性が向上する

従業員の健康を推進する取り組みは、従業員のパフォーマンス向上に直結します。健康管理の強化により、従業員の欠勤が減少し、職場全体の業務効率が改善されるでしょう。

さらに、長期的には医療費の削減や生産性の向上といった経済的なメリットも見込めるため、企業の持続的な成長に寄与します。

メリット4|国や自治体、保険会社から優遇される

健康経営優良法人に認定されると、国や地方自治体からのインセンティブや支援策を受けることが可能です。具体的には、助成金や税制優遇の対象になることが多く、一部の保険会社では保険料の割引などの優遇措置を利用できる場合があります。

このような特典は、企業の財務的な負担軽減にもつながるでしょう。

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【中小企業向け】健康経営優良法人認定の取得方法

ここでは、中小企業が「健康経営優良法人認定」を取得するための方法について解説します。

ステップ1|健康宣言事業へ参加する

健康経営優良法人認定を目指す中小企業は、まず加入している健康保険組合や自治体が実施する健康宣言事業に参加する必要があります。この段階では、企業として健康に関する目標を宣言し、それに基づく具体的な取り組みを進めることが必要です。

健康宣言事業への参加は、認定を受けるための第一歩となりますので、正確な情報を確認し準備を進めましょう。

ステップ2|健康経営の具体的な取り組みを実施する

健康経営優良法人認定の要件を満たすためには、社内体制の整備が欠かせません。担当者や部署を設置し、健康経営に関する取り組みを計画的に進めることが重要です。

「健康づくり担当者」の設置は、認定要件のための必須項目です。具体的な取り組みとしては、従業員の健康診断の受診率を向上させる、メンタルヘルスケアの推進などが含まれます。これらの施策を通じて、社員の健康維持や働きやすい環境づくりを目指していきましょう。

ステップ3|必要書類を提出する

認定基準を満たした取り組みを実施したら、それらの内容をまとめた書類を健康経営優良法人認定事務局に提出しましょう。この審査を通過すると、日本健康会議による正式な認定が行われます。

提出する書類には、具体的な取り組み内容や成果が記載されている必要がありますので、しっかりと準備を整えてください。

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【大企業向け】健康経営優良法人認定の取得方法

大企業の場合は中小企業向けのプロセスとは異なり、「健康経営度調査」に回答し、認定基準に適合しているかを確認するステップが求められます。詳細な基準への適合性を確認した後、必要な書類を提出することで審査が進められます。

中小企業向けよりも厳格な基準が設けられているため、社内体制の整備や継続的な取り組みが重要です。

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健康経営優良法人認定の注意点

健康経営優良法人の認定を目指す際には、いくつか注意点があります。

認定要件が厳しくなってきている

健康経営優良法人認定の基準は毎年見直され、厳しくなる傾向にあります。そのため、基準を満たすためには単発的な施策では不十分であり、継続的かつ体系的な健康経営活動が求められます。

例えば、従業員の健康状態を定期的に把握し、具体的な改善策を講じることが必要です。このような取り組みを企業文化として定着させることが重要です。

効果が出るのに時間がかかる

健康経営の取り組みは中長期的な視点が欠かせません。健康改善の効果が現れるまでには少なくとも数年、場合によっては5年以上の時間が必要です。

また、効果がすぐに見えない場合には、従業員や経営層から不満の声が上がる可能性もあります。そのため、目標や進捗を定期的に共有し、取り組みの意義を社内でしっかりと伝えるようにしましょう。

一定のコストがかかる

認定取得には、計画の立案やシステム導入、従業員教育などにコストが発生します。また、認定を維持するためには毎年申請が必要であり、その際の運用費用も見込んでおく必要があります。

さらに、従業員の参加意識を高めるためのイベントや教育プログラムの実施なども必要となるため、予算配分を適切に行うことが重要です。

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まとめ

健康経営優良法人認定は、従業員の健康を経営に組み込み、企業イメージの向上や採用活動の優位性、業務効率の改善、さらには助成金や税制優遇といった財政的メリットをもたらします。しかし、認定取得には長期的な取り組みや一定のコストが求められるため、計画的な準備が重要です。

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