反抗的な部下の対処法とは|理由を踏まえて日常と面談時それぞれの対応を紹介

上司と部下の関係性はさまざまですが、やたらと反抗的な態度の部下はいないでしょうか。自分の意見を述べるのとは異なり、いつも突っかかってきたり、話を聞かなかったりする部下の対応は困るものです。 しかし部下が反抗的になる理由は、必ずしも自己中心的な気持ちからくる怒りとは限りません。理由を探り、適切な対処をすることが大切です。 反抗的な部下にはどのように対処すれば良いのか、3つのステップに分けて解説します。


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部下が反抗的になる理由


反抗的な部下で悩んでいるとしたら、まずはなぜそのような態度をとるのか理由を探ってみましょう。ここからは、部下が反抗的になる主な原因を紹介します。

上司の態度や振る舞いに問題がある

部下が反抗的になる原因が、上司側にある場合も珍しくありません。部下を反抗的にする上司の態度や振る舞いは、次の3つがあげられます。

部下に対して威圧的な態度を取っている

上司としての威厳を示そうとして、偉そうな態度や乱暴な口調で接していないでしょうか。上司だからといって常に命令口調で接することも、反感を買う要因となります。

無意識のうちに、相手を「仕事ができない奴」「軽視して良い相手」と決めつけているのが態度に出ている状態です。反抗的な部下だけでなく、他の従業員も不快に感じている可能性もあります。

部下によって接し方や評価方法が異なっている

学歴や容姿を理由に、部下によって態度を変えている上司は、信頼してもらえません。社会には、学歴に関係なく活躍できる人材もいます。気に入っている相手と他の部下とで態度を変えるのも賢明ではありません。

態度を変えている自覚がなくても、曖昧な評価方法で線引きしている場合があります。基準が不明瞭な評価は、相手ごとに態度が変わる要因となります。

自分の考えを押し付けている

部下のやり方や時代の変化を認めず、自分の考えを押し付けることも部下の反感を買う原因のひとつです。

「部下なら○○すべき」と、本来の業務とは関係ないお茶くみやコピーなどの雑用を強要していないでしょうか。自分が新人時代は当たり前だったからと無茶振りをすると、パワハラと判断されかねません。

部下の性格や考え方に起因している

上司側に問題がない場合、部下本人の性格や考え方が態度に現れているのかもしれません。部下側に原因があって反抗的な態度を取る理由は、次の2つがあげられます。

自分の能力を過信している

自分の能力を客観的に理解できておらず、過信している場合、態度に現れることがあります。未経験や経験が浅くとも、根拠のない自信に満ち溢れているパターンです。

自分の能力を過剰に評価している部下は、単純なルーティン業務や簡単な仕事に不満をもっています。「自分はもっと大々的な仕事を任されるべきなのに」と思っているため、相応しくないと思っている仕事が割り振られたときには反抗的な態度を取ります。

頑固な性格である

頑固な性格が、反抗的な態度につながったりチームの輪を乱したりするパターンです。自分の考えが正しいと思い込むタイプや、間違っているとしても譲歩したくないと考えている部下は、思い通りにいかないことに不満を抱きます。

強いこだわりを持っている場合もあり、周囲が説得した程度では考えを変えるのは難しいでしょう。一度部下のやり方で取り組んでもらい、失敗や挫折を経験させるのも教育のひとつです。

何らかの不満を抱えている

不満があると人はイライラしやすいものです。不満があるのに口にできない、不満を伝えているつもりなのに改善される気配が見受けられない場合、自然と反抗的な態度になってしまいます。

口にできない場合、本人は反抗的な態度をとっていると自覚していない可能性もあります。自分を認めて欲しい、自分の考えを聞いて欲しい、自分の意見を採用して欲しい、という願望が、不満げな態度として表に出ているのです。

小さなストレスでも、積み重なれば大きな不満となります。上司からするとたいしたことがないように感じても、部下にとっては大きな不満になり得ると心にとめておきましょう。

同僚の不満を代弁している

正義感の強い部下であれば、ほかの同僚たちの気持ちを代弁して反抗的になっているのかもしれません。

上司へ不満はあるものの、態度に出さない部下がいることも少なくないでしょう。気が弱かったり、我慢強かったりして上司への不満を態度や口には出せない同僚の分まで、反抗的な部下が肩代わりしているのです。

性格に問題がありすぐにイライラしてキレる人は同僚にとってもやっかいな存在ですが、仲間の代弁している人は、自分の代わりをしてくれていると同僚から一目置かれるという特徴があります。

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反抗的な部下の対処法(日常編)

部下に対する日常的なアプローチを変えることで、部下の気持ちにも変化が出てきます。日頃の付き合いを通じて、部下の心のわだかまりをほぐし、信頼関係を築くことが大切です。

コミュニケーションを取る

信頼関係を築くには、日頃からしっかりコミュニケーションをとることが重要です。年齢や立場が異なると、ただでさえ価値観が異なり共通の話題も少なくなりがちです。

反抗的な態度の部下ともなると、互いに苦手意識があり必要最低限の会話しかしない人もいるのではないでしょうか。

しかし、積極的に上司のほうからコミュニケーションを働きかけ、よく部下の話を聞いてみることが大切です。普段の会話から、反抗的な態度をとる理由がわかるかもしれません。

反抗的な部下でもしっかり会話しコミュニケーションを取る中で、意外とわかり合えることがあります。お互いの信頼関係を築くことで、不満に思っていることも改善点として意見を出してくれるでしょう。

部下を認める

自立心のある部下であればあるほど、上司が認めてくれないことにいらだちを覚えている可能性があります。自分のやり方があるのに、上司からいちいち口を出されることに反発しているのかもしれません。

上司の立場からすると部下には心配な点もあるかもしれませんが、まずは部下を信頼し仕事を任せてみることも大切です。

上司としては、確認やアドバイスをしているつもりでも、部下からすると信用されていない、自分の意見はすべて否定されていると感じていることも少なくありません。

部下は上司に認められていると感じることで、責任感が増し業務への意欲もわいてきます。部下自身の能力が十分に発揮できることでしょう。

部下が業務を遂行する上で、相談や助けを求めてくる場面があるかもしれません。そのときは、これまで経験を生かしてフォローすることで、より部下の信頼を得ることができるでしょう。

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反抗的な部下の対処法(面談編)

反抗的な部下を理解するには、部下の本音を聞くことも重要です。定期的な面談があるのであればその際に、なければ場を設けて、部下と直接話し合ってみましょう。

ここでは面談時のポイントを紹介します。

部下との面談でどのように質問すれば良いか迷ったときは、以下の記事が参考になります。

部下との面談で使える質問例を8つの項目別に紹介!ポイントも解説

部下の話を聞く

なぜ反抗的な態度を取るのか、原因を知るためには部下本人の話を聞くことが大切です。面談するときは高圧的な態度で問いただすのではなく、歩み寄る姿勢を見せましょう。

部下が自ら話してくれるような雰囲気を作り、途中で話を遮らずに最後まで傾聴します。中には、完全に誤解が原因で反抗されている場合もあります。部下の話に反論したい部分があっても、まずは最後まで話してもらってから、少しずつ互いの誤解を解いていくことが大切です。

改善してほしいことを伝える

改善してほしいことは、具体的に伝えましょう。感情にまかせて言うと相手に余計な不安や反発心を植え付けるおそれがあるため、客観的な視点で冷静に伝えることが大切です。

例えば以下の伝え方なら、相手の気持ちを逆なでせずに話を聞けます。

・不満がある場合は理由を教えてほしい
・感情的にならずに落ち着いて話してほしい など

問いかけるときは、抽象的な言葉は避けて具体的に聞きましょう。例えば「どうかした?」と聞かれても、正直に答えてくれるとは限りません。

落ち着いたトーンで言葉を促し、相手の気持ちを知ることから始めましょう。

第三者に参加してもらい2対1で実施する

関係がこじれすぎていると、直接話し合っても解決に向かわない場合があります。二人での話し合いがうまく進まない場合は、間に入ってくれる人を探しましょう。

このとき、頼む人は、どちらの肩を持つことも無い中立的な立場の人にお願いすることが大切です。人事部の中で、社員の相談などを担当している方などが、担うことが多いでしょう。
ただし、同じ職場の中だと、なにかしらのしがらみがあったり、人事評価への影響が気になる場合などがあります。

そのため、外部のリソースを活用することも効果的です。

ビジネスの世界では、コミュニケーションスキルは重要です。心理学のメソッドを用いてサポートする、東京・ビジネス・ラボラトリー(TBL)の企業向けセミナーであれば社員一人ひとりが、ネガティブな思い込みに気づき、成長する手助けができます。

反抗的な部下を含めた人材育成にお悩みでしたら、ぜひ一度ご相談ください。

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まとめ

反抗的な態度をとる部下には、その理由があります。本人だけでなく上司に問題があるケースも少なくありません。正義感や仲間意識から、同僚の不満を代弁して解決しようとしている場合もあり、どのように対応するべきか慎重な判断が求められます。

まずは上司から歩み寄って、部下が反抗的な態度をとる理由を理解しましょう。

適切なコミュニケーションをとることで、部下との関係性も良くなります。部下を信頼し認めることが重要です。

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