部下との面談で使える質問例を8つの項目別に紹介!ポイントも解説

部下との面談は、組織の成長にとって欠かせません。より良い面談にするには、上司として適切な質問で部下の考えを引き出す必要があります。 しかし、質問内容をあらかじめ考えておかないと、良い面談にはなりません。部下への質問はデリケートな部分もあるため、しっかり考えておきましょう。 今回は、部下との面談で使える質問の種類や意識すべきポイント、具体的な質問例を紹介します。 部下とのコミュニケーションで悩んでいる上司の方は、必ず知っておくべき内容です。部下とより良い関係を築くためにも、良い質問例を把握しておきましょう。


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部下との面談で質問内容を整理しなければいけない理由


部下との面談の際に質問内容を整理できていないと、面談の意味がなくなってしまいます。面談は部下の意見や悩みを聞きだすことが目的ですが、適切な問いかけができないと欲しい情報を得られません。

質問の内容によって部下の返答は左右されます。本当に聞きたいことを引き出すには質問内容を整理し、ポイントを押さえましょう。

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部下との面談で使える質問の種類

部下との面談では、いくつか使える質問の種類があります。部下との面談で使える質問の種類は、主に以下の2つです。

・クローズド・クエスチョン
・オープン・クエスチョン

どういった質問方法なのかを理解し、部下との面談をより良い時間にできるよう、効果的に使い分けましょう。

クローズド・クエスチョン

クローズド・クエスチョンは、相手が「Yes」か「No」で答えられる質問を指します。例えば、「資料は完成した?」や「明日の15時にミーティングできる?」などです。

クローズド・クエスチョンは、簡潔なやり取りですぐに答えを引き出せるのがメリットです。また、答えがハッキリしているため、相手の考えや事実を正確に把握できます。相手に事実確認や認識のすり合わせを行う際に有効です。

オープン・クエスチョン

オープン・クエスチョンは、回答に制限のない質問で、相手の新しい気づきや発想を促します。例えば「なぜそう思う?」や「今困っていることはある?」などです。

オープン・クエスチョンは、相手の考えを相手の言葉で聞けるのがメリットです。相手側にとっても、ちゃんと自分の意見を聞いてくれているという安心感を与えられます。相手の意見を引き出すときに向いている質問方法です。

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部下との面談で使える8つの質問例

質問例を知っておくと、部下との面談時に何を聞けば良いのか迷わずに済みます。基本的な質問をいくつか覚えておきましょう。

部下との面談で使える質問例として、以下の8つがあげられます。

・日々の業務に関する質問例
・モチベーションに関する質問例
・能力やキャリアに関する質問例
・プライベートや心身に関する質問例
・目標達成に関する質問例
・職場環境に関する質問
・人間関係やチームに関する質問例
・フィードバックに関する質問例

一度に聞くのではなく、分野ごとに整理して質問することが大切です。それぞれの具体的な質問例を紹介します。

1.日々の業務に関する質問例

毎日担当しているからといって、必ずしも割り当てられた業務に満足しているとは限りません。失敗したり課題を感じていたりして、「自分以外の人に任せてほしい」と思っている場合もあります。

現状、日々の業務に対してどのように感じているのか、以下の質問で確認しましょう。

・部署内で担当している仕事に関してどう感じている?
・うまくいかなかった理由はある?
・現状の課題はある?
・業務でサポートしてほしいことはある?
・残業となる原因は?
・業務量についてどう感じている?

仕事に関する質問は聞き方を誤ると高圧的になってしまうため、注意すべきです。親しみやすい雰囲気を意識的に出して、相手にリラックスした状態で話してもらう必要があります。

2.モチベーションに関する質問例

部下のモチベーションは、日常のちょっとしたきっかけで上下するものです。人によって理由は大きく異なるため、適切な指導やサポートをするためには一人ひとりのモチベーションを下げる原因を把握しましょう。

モチベーションに関する質問例は、以下の通りです。

・うまくいった施策や行動はある?
・モチベーションが上がるのはどんなとき?
・モチベーションが下がるのはどんなとき?
・自信があるのはどんなこと?
・今、不安なことはある?

モチベーションは部下の作業効率に直接関わってくるため、質問内容は慎重に選ぶ必要があります。

自信があることを覚えておくと、仕事を振りやすくなります。モチベーション低下を防ぐためには、不安を抱いていることを把握しておくことも大切です。

3.能力やキャリアに関する質問例

能力やキャリアに対する考え方は、人それぞれです。同じ部署に在籍していたとしても、描いている将来像まで共通するとは限りません。

それぞれが最適なキャリアパスを描けるように、以下の質問で本人の現状と希望を確認しましょう。

・成長する上での課題は何だと思う?
・将来的に挑戦したい仕事はある?
・自分の強みはどこだと思う?
・君の成長に関して手伝えることはある?
・自分の能力が生かされていると思う?
・得意だと感じる業務は?
・好きな業務は?
・現在の業務の難易度は適切だと感じている?
・取得したい資格はある?
・どのようなキャリアを目指している?
・将来のキャリアのためにどのような経験を積みたい?
・他部署でやってみたいことはある?

能力やキャリアに関する質問は将来の組織にも関わってくるため、上司として把握しておくべきポイントです。

上司の立場で進んでほしい道があったとしても、面談の場は聞き役に徹しましょう。

4.プライベートや心身に関する質問例

部下の個性や考え方を知る方法として、プライベートや心身に関する質問があります。一見すると業務から離れている質問は、面談の雰囲気が悪くなったときのアイスブレイクとしても効果的です。

・趣味はある?
・最近興味のあることは?
・好きな食べ物は?
・嫌いなものはある?
・休日は何をして過ごしている?
・最近買って良かったものは?
・欲しいものはある?
・体調面で気になることは?
・ストレスはある?
・ストレスは発散できている?
・週末は休めている?
・仕事の悩みは相談できている?

あまり深く聞きすぎてしまうと不快感をもたれてしまう場合もあるため、注意しながら聞きましょう。プライベートな部分は真正面から否定せず、受け止めることが信頼につながります。

5.目標達成に関する質問例

目標達成に関する質問例は、以下の通りです。

・社内目標に対してどんな成果を出せた?
・自己目標は達成できた?
・うまくいかなかった仕事はあった?
・目標に妥当性を感じている?
・目標達成のためにどんな工夫をしている?
・今期の目標は?
・設定した目標の理由は?
・来年挑戦したいことはある?

目標達成は部下の成長につながるため、上司が質問で促してあげられるのが理想です。上司は把握していなくても、実は部下なりに考えがあるかもしれません。失敗を責める流れにならないよう、注意して聞きましょう。

もっと高い目標を設定すべきか、反対に下方修正すべきか判断するためにも、現状の達成度について本人の考えを聞くことも大切です。現状を深掘りして、本人に合った目標設定ができれば、モチベーションアップも期待できます。

6.職場環境に関する質問

職場環境は、生産性に大きく影響します。例えば室温が高すぎたり低すぎたりすると、健康に害がおよぶおそれもあります。

職場環境に対する満足度を測るためには、以下の質問が効果的です。

・空調に問題はない?
・使用しているPCや機器に問題はない?
・社内システムに不満はある?
・コミュニケーションツールは活用できている?
・資料へのアクセスやデータ、情報の保存に問題はない?
・有給休暇は取りやすいと感じている?
・福利厚生は利用できている?
・各種申請フローに不満はある?
・研修の内容は分かりやすい?
・業務の引き継ぎやマニュアル整備に問題はない?

職場環境が合わない場合、モチベーションや業務効率を低下させるため、チームや組織全体への影響も懸念されます。高い生産性を実現するためにも、体調管理しやすい快適な職場環境を提供することが大切です。

過ごしやすさのほか、研修や業務の引き継ぎなど、業務面に直接関係する部分も質問しましょう。

7.人間関係やチームに関する質問例

組織で働く以上、完全に単独行動を貫くことは不可能です。個人プレーが優秀だったとしても、チームの仲間と円滑なコミュニケーションを取れていなければ、業務に支障が出るおそれがあります。

以下のように人間関係やチームに関する質問を行い、現状を把握する必要があります。

・チーム内でのコミュニケーションはスムーズにとれている?
・報告・連絡・相談はしやすい?
・チーム内で自分の意見を気軽に発言できている?
・チームの課題やトラブルはある?
・チーム内での人間関係について改善点はある?
・チーム内の人間関係をより良くするためには何が必要?

人間関係における質問では、チームメンバーとのコミュニケーションに問題はないか、報告・連絡・相談のスピードに影響はないか確認します。

優秀な人材に長く働いてもらうためには、チーム内で本人の意見や考え方、働き方が尊重されていることが大切です。

普段は言いにくい悩みや要望を教えてもらうチャンスです。トラブルについて聞くだけではなく、漠然とした違和感や「改善したほうが良いかもしれない」程度の意見にも耳を傾けましょう。

8.フィードバックに関する質問例

フィードバック後に改善が見られないときや、歯切れの悪い返事しか返ってこないときは、伝え方そのものに原因があるかもしれません。面談で効果的なフィードバックの方法を探りましょう。

フィードバックにおける質問例は、以下の通りです。

・印象に残っているフィードバックはある?
・フィードバックをもらった後の対応は?
・上司から適切にサポートされていると感じている?
・どんなフォローをしてもらえると助かる?

フィードバックは、伝え方によって悪い方向に受け取られるおそれがあります。パワハラにならないようにと簡潔に伝えたとしても、「言い方が威圧的で怖い」「どこが悪いのか具体的に教えてくれない」など、不満をもっているかもしれません。

互いに安心してフィードバックをやり取りできるようにするためには、具体的に良かった例や悪かった例を答えてもらい、参考にしましょう。フィードバックのみでは不十分な部下もいるため、必要なフォローやサポートの要望も聞いておくことが大切です。

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部下との面談で質問する際に意識すべき4つのポイント

部下にただ質問するだけでは良い面談にはなりません。面談で質問する際に意識すべきポイントは、以下の4つです。

・一度に多くの答えを求めない
・面談の目的を意識して質問する
・気軽に話せる雰囲気づくりを意識する
・部下の話を途中で遮らない

部下との面談に問題意識をもっている場合は、解決のヒントになるかもしれません。しっかり把握しておきましょう。

①一度に多くの答えを求めない

質問する際は、ひとつずつ聞くようにしましょう。部下を質問責めにしてはいけません。できるだけシンプルでわかりやすい質問だと、部下も答えやすくなります。

一度に多くの答えを求めてしまうと、負担に感じたり何を答えれば良いかわからなくなったりするおそれがあります。本当に聞きたい答えを引き出すためには、質問内容を整理し、ひとつずつ聞きましょう。

②面談の目的を意識して質問する

面談をする際には、常に目的を明確にしておきましょう。部下との面談は部下の成長が目的のひとつなので、自分の意見ばかり押し付けるのはNGです。

意識しないと、どんどん目的からずれてしまうケースも多いです。事前に部下にも面談の目的を共有し、目的に沿った質問を意識しましょう。

③気軽に話せる雰囲気づくりを意識する

部下の本当の意見を聞くためには、話しやすい雰囲気を意識してつくりましょう。

部下は上司というだけで、自然と話しづらいと感じてしまい、本当の考えを言い出せないことがあります。今後の関係性にも影響を及ぼしてしまうため、笑顔や言葉遣いを意識しましょう。

④部下の話を途中で遮らない

部下の話は最後まで聞きましょう。話を途中で遮って質問や否定をするのはNGです。気になることがあっても、ひとまず最後まで話を聞くようにしましょう。

上司は8割以上の時間は、部下の話に耳を傾けるべきともいわれています。上司が考えているより話に耳を傾けないと、部下は話を聞いてもらえたと感じません。聞く姿勢は面談中、常に意識しましょう。

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まとめ

部下との面談は質問内容を整理できていないと、面談の意味がなくなってしまいます。本記事で紹介した質問例を参考に、何をどう聞くかをあらかじめ考えておきましょう。

部下との面談をより良いものにするには、企業・外部研修の導入もおすすめです。研修を導入すると、面談の問題を新たな視点から発見・改善できます。

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