目次
一体感とは

一体感とは、組織やチームにおいて、メンバーがそれぞれ異なる立場や役割を持ちながらも、共通の目標や価値観のもとに結束し、組織全体が同じ方向を向いて機能している状態を指します。
職場では、従業員が会社の方向性を理解し、互いに協力しながら目標達成に向けて取り組む状態といえるでしょう。
多様な背景を持つ人材が集まる現代の組織では、一体感を保つことが課題となっています。しかし一体感があれば、多様な個性を尊重しながら組織全体の力を最大限に引き出せます。
職場における一体感が重要な理由

ここでは、職場で一体感が重要とされる理由を解説します。
価値観が多様化している
現代の職場では、異なる世代や文化的背景を持つ人材がともに働くことが当たり前になりました。インターネットやSNSの普及により、かつてないほど多様な情報に触れられるようになったことで、価値観も多様化しています。
こうした環境では、メンバーごとに考え方や仕事への取り組み方に違いが生まれやすく、チームの方向性にばらつきが生じる原因となります。異なる価値観を持つ人々が協力し合うためには、共通の目標や理念で結ばれた一体感が不可欠です。一体感があれば、多様な個性をチームの強みとして活かしながら、組織全体の創造性や問題解決能力を高められます。
コミュニケーションが活性化する
一体感のある職場では、部署や立場の垣根を越えて社員同士のコミュニケーションが活発になります。日々の会話や挨拶を通じて仲間意識が育まれ、互いの考えや状況を理解しやすくなるため、情報共有がスムーズに進みます。
また、現代ではリモートワークや分散したチームが増えており、物理的な距離がコミュニケーションの障壁となるケースも少なくありません。
一体感が醸成されていれば、場所に関係なくメンバー間の信頼関係が深まり、オープンで建設的なコミュニケーションが促進されます。チームで業務を進める上で、一体感は欠かせない要素といえます。
業務の生産性を高め会社の利益に貢献する
チーム全体に一体感があると、メンバー同士の連携が強まり、業務の生産性が向上します。お互いの役割を理解し、自然に協力し合う雰囲気が生まれるため、無駄な作業やコミュニケーションのロスが減少します。
生産性の向上は、無駄なコストの削減にもつながり、結果として会社の利益を押し上げる効果が期待できます。業績が向上すれば、チームへの予算増額や新規事業の立ち上げといった新たな可能性も広がるでしょう。
離職率が低くなる
一体感の高い職場では、従業員の離職率が低い傾向にあります。職場に思いやりの精神や協力し合う雰囲気があると、社員は組織への帰属意識を強く持ち、この会社で働き続けたいという気持ちが芽生えるためです。
また、仲間との信頼関係が構築されている環境では、困ったときに相談しやすく、孤独を感じにくくなります。会社への忠誠心が高まり、長く貢献したいと考える社員が増えることで、人材の定着率向上と採用コストの削減が期待できます。
一体感のない職場の特徴とは

ここでは、一体感が欠けている職場に見られる特徴について解説します。
コミュニケーションが少ない
一体感のない職場では、社員間のコミュニケーションが不足し、情報共有が滞りがちです。報告や連絡をなかなかしない社員がいると、大切な情報の伝達が遅れ、業務の生産性が落ちてしまいます。
互いに理解し合えず、協力関係が築けないため、誤解や無駄が発生しやすく、仕事がスムーズに進みません。作業の進め方がわからない場合でも、上司や同僚へ相談しにくい雰囲気になっていることもあります。
コミュニケーション不足が続くと、社員間の信頼関係が損なわれ、職場全体の雰囲気が悪化します。アイディアがあっても発言しなかったり、問題を人任せにしたりして、建設的な話し合いが困難になるのです。
組織の共通目的がない
一体感のない職場には、共通の目的がありません。何のために努力するのかわからないと、従業員一人ひとりの業務への取り組み方はバラバラになってしまいます。
企業として目標を掲げていたり、上司が部下に目標を伝えたりしているかもしれませんが、それだけでは不十分です。従業員が目標を達成することで何が成し遂げられるのか、その意義を理解し共感する必要があります。
目標達成が人事評価にどう影響するのか、会社や地域社会にどう貢献するのかといった理解が浸透していない職場では、積極的に業務に取り組まない従業員も出てきてしまうでしょう。
個人主義の風潮がある
一体感のない職場では、個人主義的な考え方が蔓延し、会社全体の目標よりも個人の利益を優先する傾向が見られます。社員は自分の仕事だけに集中し、他のメンバーとの協力や連携を軽視するため、組織全体の目標達成が難しくなります。
自分のことばかり考えて、他の社員を助けない人材が増えるのも特徴です。サポートすればすぐに終わる状況でも、自分以外の仕事には手を付けません。それが業務をストップさせることになり、業務の滞りにつながるのです。
過度の個人主義は社員間の競争を激化させ、殺伐とした雰囲気を社内に流し、孤独感を感じる社員を増やすことになります。
指示待ち人間が多い
一体感のない職場では、社員は指示待ちの状態になりがちです。自分から積極的に行動を起こすことを避け、上司からの指示を待つだけの受け身の姿勢になってしまいます。
指示待ちが当たり前になると、社員の自主性や創造性が育まれず、組織全体の活性化を妨げる要因となります。
また、指示待ちの状態は社員のモチベーション低下につながる可能性もあります。社員に対して指示を出す量が増えてしまい、最悪の場合、上司が自分の業務をこなせなくなり、悪循環に陥ってしまうのです。
職場の一体感を高める方法
ここでは、職場の一体感を醸成するための具体的な方法について解説します。
チーム内で共通の目的をつくる
一体感を育むためには、組織全体で共通の目標を設定することが重要です。
目標を共有することで、社員は組織の一員としての意識を持ち、目標達成に向けてともに努力するようになります。すべてのメンバーが同じ方向を向いて進むことで、足並みが揃い、一体感が生まれやすくなるのです。
チームで共通の目標を立てるときは、達成できる可能性があると思わせることが大切です。難しすぎる目標は、メンバーのやる気を阻害する要因になるため注意が必要です。
また、目標設定はメンバーの意見を積極的に聞き取り、全員が納得できるものでなければなりません。代表者が勝手に決めると否定的な意見を持つ社員や、目標の意図が見えない社員が増えてしまいます。
複数のメンバーで話し合いながら決めることで、自分ごととして捉えられるようになります。
チーム全体で情報共有を行う
情報共有を適切に行えば、社員がお互いの業務を理解し、協力関係を築きやすくなります。部署や業種の枠を越えて、企業に関するさまざまな情報を共有できるようにすると、従業員は自分もその一部であると考えるようになります。
与えられた仕事だけをこなすのではなく、周囲のことも考えて行動するようにもなるでしょう。具体的な方法として、チャットツールの導入があげられます。
従業員にとって大切な情報がタイムリーに伝わるようにすると効果的です。雑談レベルの情報もまた横のつながりを強化し、一体感のある職場づくりに寄与するケースがあります。
定期的なミーティングや社内報、イントラネットなど、さまざまな方法で情報がタイムリーに、正確に、そして分かりやすく共有されることが重要です。
フィードバックを送り合う文化を推進する
フィードバックを行う文化が根付いている職場では、社員同士が組織をより良くするために積極的にコミュニケーションを行うことができます。
フィードバックは、上司から部下への一方的なものではなく、部下から上司へのフィードバック、同僚同士のフィードバックなど、さまざまな形で実施されることが重要です。
また、ネガティブな指摘だけでなく、ポジティブなフィードバックも積極的に行いましょう。お互いのよい点や感謝の気持ちを伝え合うことで、職場の雰囲気が明るくなり、モチベーション向上にもつながります。
上司は部下の頑張りについて褒めるだけでなく、感謝を伝えることができます。お互いの働きに感謝しあえる環境づくりを進めることで、組織としての一体感を向上させることにつながります。
社員同士を知る機会を増やす
職場の一体感を醸成するためには、まず社員同士が互いの志向や興味関心を理解することが重要です。
なかでも、社員交流イベントは社員同士の親睦を深め、一体感を醸成する効果的な手段です。イベントを通して、社員は普段の仕事では接することのないメンバーと交流し、互いのことを理解できます。
また、一体感を高める研修を実施するのも効果的です。チームビルディング研修などを通じて、コミュニケーション力の高め方や、チームで業務を進める上で必要なスキルを学びます。
ただし座学のみの研修だと参加者が飽きてしまうおそれがあるため、グループワークなど実践型のカリキュラムを用意することが大事です。
まとめ
職場の一体感は、共通の目的を軸に人と人がつながり、組織の力を最大限に引き出すために欠かせない要素です。一体感があれば、コミュニケーションが活発になり、生産性向上や離職率低下といった好循環が生まれます。まずは目標共有や情報共有、フィードバックの文化づくりから取り組み、一体感のある職場づくりを進めていきましょう。
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