withコロナを乗り越える鍵は自律的社員の育成

東京・ビジネス・ラボラトリーの朝妻秀子代表取締役社長は、2002年に心理療法であるNLP(Neuro Linguistic Programming)を学び、ファシリテーションスキルやコミュニケーションスキルを習得。以来22年間、心理学を基にした企業研修・セミナーの開催、企業のメンタル顧問や経営者サポート顧問として活躍されてきました。 長年のキャリアの中で、今の時代は「自律的社員の育成が課題」という朝妻社長。そんな朝妻社長に、東京・ビジネス・ラボラトリーとして目指す場所、そしてコロナ禍におけるメンタルヘルスへの向き合い方についてお話をお伺いしました。


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“潜在意識に気付くこと”東京・ビジネス・ラボラトリーのコアバリュー

東京・ビジネス・ラボラトリーの考え方について教えてください

株式会社東京・ビジネス・ラボラトリーが掲げるミッションは「心理学を基に現代社会の様々なシーンで、人が人らしく、 自己を実現していける世の中作りを目指しています。」です。企業は多くの人が関わり、それだけ多くの課題が生まれます。それらの課題を解決するためには、心理の原理・原則を取り入れた考え方が有効であると考えています。

代表的な考えのひとつが「自己一致」です。簡単にいうと「自分自身をよく知っておく」ということ。私たちは何かを行動したり、決断したり、判断したりするときには、表面的な意識ではなく、潜在意識で選択することがとても多いんです。これは経営者においても同じで、潜在意識による判断はよく行われますが、自分が弱みだと感じていることやコンプレックスなどを避けた結論を出すような結論を出してしまい、結果的に会社に必要な状況判断を間違えてしまうことは少なくありません。

こうした自分では気がつかない潜在意識による決定を避けるためには、心の奥に潜む意識の存在に気がつくことが重要です。自分が知っている自分と、自分から見えない自分を一致させ、自己理解を深められれば、潜在意識に引っ張られた屈折した理解を避けられるようになるのです。

心理学にはこのほかにもいろいろな理論があり、コミュニケーションに使える多くのスキルがあります。これらの知識や技術を経営者が身につけられたなら、より大きな結果を生むビジネスが展開できるようになると考えています。

一方で、心理学の知識は経営者だけが持っていればいいというものではありません。社員一人ひとりが心理学の知識やスキルを身につけられたなら、とても大きな力を持つ組織へと変化していくでしょう。

カギは時間のコントロール!コロナ禍で浮き彫りになった日本の課題

コロナ禍の影響はどうでしたか

弊社に限っていえば、日頃からメンバー間できめ細やかなコミュニケーションが取れていましたので、オンラインになってもお互いの関係性が変わるようなことはありませんでした。また心理学を学んでいたことにより、自分自身の軸をぶれさせずに生活ができているといいます。

コミュニケーションの形はオンラインに移行しましたが、弊社ではコロナ禍以前よりオンラインでの交流を導入していましたので、慣れるまでの時間は非常に短かったと思います。また弊社ではアメリカの機関とライセンス契約を結んでいるプログラムがあるのですが、その導入の際には当時日本語版がなかったZoomを使ったレクチャーを受けていました。当時のZoomは何をするにも全て英語表記でしたので、苦労した面もありましたが、今はあの体験をしておいてよかったと思っています。

コロナ禍においてどんな相談が増えましたか

これは大変増加しました。企業からだけでなく、個人の方からの相談も増えています。みなさんコロナを機にメンタルに不安を抱えるようになりましたが、コロナそのものに対する不安よりも、コミュニケーションに対する問題を多く抱えられています。コロナ禍中に転職をされた方などは、直接部署のメンバーと会う機会がなく、馴染むきっかけがないと。もちろん会社から配慮をしてもらっているのは感じるけれど、それ以上はどうしたらいいか分からないといったお悩みを抱えている方もいました。

また、終わりが見えないコロナ禍での生活の中で、人生に不安を感じる方も増えているように感じます。以前のとおりには戻らない世界の中で、これからの人生をどのように生きていけばいいのか、先が見えなくなってしまったと。コロナが出始めた頃は数カ月すれば戻るだろうという希望的観測を持てましたが、いつまで不自由を強いられるのかわからない中で、徐々に不安が積み重なっているように思えます。

コロナ禍におけるメンタルヘルスについてどう捉えていますか

コロナ禍においてメンタルを崩す理由は大きく2つあると考えています。ひとつはコミュニケーションの問題。会社に出社するのが当たり前であったコロナ前には、会社に行けば話をする相手がいて、仕事をすれば直接評価を受けるといったコミュニケーションの機会が多くありました。しかしリモートワークが中心となった結果、人と話す機会は激減しました。特に仕事の成果を褒めてもらうことがモチベーションとなっていた人は、仕事に対する評価を受ける機会が減ったため、仕事に対する意欲を失う傾向が見られます。

もうひとつは自律神経の乱れです。リモートワークの導入によって通勤時間が無くなった結果、朝は起きるのが遅くなり、化粧や服装に手を抜き始める方は少なくないでしょう。リラックスできる環境が悪いわけではないのですが、気の緩みが生活リズムの乱れにつながり、ついつい夜更かしをするようになると、自律神経はどんどん乱れていきます。

自律神経はメンタルに対する強い影響をもつのと同時に、体調とも密接に繋がっています。生活リズムの乱れにより自律神経が弱くなってしまうと、小さな気持ちの落ち込みがあっただけでもメンタルバランスを大きく崩してしまい、さらには体調不良にも繋がるおそれがあるのです。

これらの解決策として、弊社ではひとつのテーマにおけるサポートを行っています。それは「自分の生活を管理する自律的な生き方をする」というテーマです。現在の環境においては、他人から見られる機会、評価される機会が大きく減ったことにより、結果としてメンタルヘルスの不調を招いています。

心身を健康に保ち、ウィズコロナの生活を送るためには、自分で自分を律する「自律的な生き方」が求められます。人に会わなくても一定のリズムで生活し、人に見られなくても身だしなみを整える。誰かに褒められなくても自分の仕事に自発的に取り組むといった自律的な生活は、コロナ禍においても自分を見失わない「軸」を鍛え上げてくれます。こうした自律的な生活に切り替えた結果、環境に揺るがない強いメンタルを取り戻した人は大勢いらっしゃいます。

支援してきたからこそ思う・・・企業がメンタルヘルスに取り組む難しさ

メンタル対策をアウトソースするメリットについて教えてください

結論から言うと、メンタル対策は専門の企業に任せるメリットが大きいと考えています。企業の中にメンタルヘルスに精通した社員を作っていただくのは私も希望するところです。実際に大企業ではメンタルサポート専門の部署を作るといった動きもあり、社会がメンタルヘルスに対する関心を強めていると感じます。

一方で、メンタルに不調を感じたとしても、別部署とはいえ同じ会社の人に相談しにくいという人も大勢いらっしゃいます。「相談した結果、評価が下がったらどうしよう」といった心配を抱えることもあるでしょう。また特に規模の小さな会社においては、相談窓口の人がメンタル不調の原因に関わる当事者であるというようなケースも考えられます。そこまで直接的な関係ではなくても、社内の人間関係から生まれる固定観念により、認識にズレが生まれる場合もあるため、十分な対応ができない条件が揃いやすいといえるでしょう。

その点、外部の相談窓口や対策機関なら、社内だからこそ生まれる認識のズレは心配ありません。また相談者が気になる個人情報も守秘義務によりしっかり守りますので、安心して相談していただけるでしょう。メンタルサポート専門の企業は、多くの事例に触れていますので、経験が非常に豊富です。適切なサポートが期待できます。メンタルの改善には技術や知識に裏打ちされた継続的な支援が必要ですので、社内のリソースをメンタルサポートに割かれないという点も大きなメリットといえるでしょう。

メンタルサポートにどんな期待ができますか

弊社は以前より研修を通じて「自律型社員」の育成を目指したサポートを行ってきました。これからは、AIやIoTといったIT化がさらに進む時代です。誰でもできる単純作業は、いずれAIに取って代わられるでしょう。そんな時代に張り合いを持って働き続けるには、自らが自発的な発想で仕事を生み出し、自分から率先して動いていく自律的な行動が重要です。メンタルサポートは心身のバランスを整え、自律的に行動できる社員を増やすことを目的としています。

最初は誰もが自分で選択して会社に入ってきたはずです。お金を稼ぎたいから。組織を経験したいから。入社の理由はいろいろあるでしょう。私たちの研修では、そうした自分で入社を決めた理由に立ち返り、自分の課題を明確にし、自律的に働ける環境を作るためのアプローチをしています。

どのような会社におすすめしたいと考えていますか

社員のメンタルサポートを行うノウハウがないという会社はもちろん、社員とのコミュニケーションが足りない、自律的に働ける社員を育成したいという会社は、ぜひメンタルサポートをご利用いただきたいと思います。

コロナ禍の影響により、社員間のコミュニケーションの機会が失われている今、従来の一般的なコンサルティング手法が通用しにくくなっています。また、少ない回数の研修では社員に意識が浸透せず、思う様な変化が得られないという会社も多いでしょう。

東京・ビジネス・ラボラトリーでは、心理学に基づいたカウンセリングの技術を用いた研修・サポートを行っています。カウンセリングに使われるテクニックを用いたサポートにより、自身が抱える課題に自らが気づき、自分から行動を起こす意識を喚起できるでしょう。

私は創業からの15年を含めた22年間、多くのお客様のメンタルサポートを行ってまいりました。あらゆる規模の企業において、さまざまな課題を抱えた方たちとふれ合った経験は、社員の方をよい方向に導くお手伝いに役立つでしょう。社員のメンタル改善、自律的社員の育成に興味がある方は、ぜひお気軽にご相談ください。
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