「任せる」と「丸投げ」の違いは?部下への正しい仕事の任せ方を解説

「部下に仕事を任せたつもりが丸投げになっていないか?」と不安になっているマネジメント職の方は多いのではないでしょうか。丸投げは、結果的に業務効率の低下につながるおそれがあります。仕事を適切な方法で任せることは、マネジメントの基本です。この記事では、部下への仕事の任せ方や丸投げとの違いについて解説します。


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部下に仕事を「任せる」と「丸投げ」との違い

部下に正しく仕事を任せるには「任せる」と「丸投げ」との違いを押さえておく必要があります。ご自身はどちらに当てはまるのか、照らし合わせてみてください。

・仕事を任せるは「指示が明確である」
・仕事の丸投げは「指示が曖昧」

仕事を任せるは「指示が明確である」

部下に対して仕事をうまく任せている方は、部下が動きやすいように明確に指示します。また、権限を与えながら指示を出すため、部下が伸びのびと担当業務に専念できます。

例えば、資料作成を任せる際は、必ず盛り込んでほしい数字を伝えたり、見せ方の順番を事前に決めておいたりすると良いでしょう。

ただし、任せるとはいっても、進捗状況の確認は怠ってはいけません。なぜなら、組織全体に影響を及ぼすリスクがあるためです。

また、指示を与える部下に適切な裁量を与える必要があります。過去の仕事への取り組み方や上げてきた成果などを考慮して、最終的には上司自身が責任をとる前提で指示出しをするようにしましょう。

仕事の丸投げは「指示が曖昧」

指示内容が曖昧だと、指示された部下は納得感を持って仕事ができないおそれがあります。たとえコミュニケーションを取りながら進めたとしても、報連相が抜けていると業務の進捗に支障が出てしまうでしょう。

曖昧な指示内容の例として、仕事に対してどのようにアプローチして欲しいのか、どのくらいのスケジュール感を持って進めて欲しいのかなど、おおよそのアウトラインを設けずに依頼してしまうケースが挙げられます。

また、指示する上司が仕事内容を理解しないまま部下に依頼してしまうと、目的や適切なアドバイスができず、曖昧な返答しかできない状態になりかねません。

もし、指示内容に曖昧な回答しかもらえなければ、部下は何もわかっていないと烙印を押して、不信感ばかりが募ってしまうでしょう。また、責任をとってもらえない不安も感じさせてしまう可能性もあります。

部下に仕事を丸投げすることで起こりうるリスク

仕事を丸投げにしてしまうと部下は不信感を抱き、仕事に対するやりがいが見いだせなくなってしまいます。また、モチベーションが低下し、能力を十分に発揮できなくなるでしょう。

最悪の場合、休職や退職などの結果を招くおそれがあります。

なお、丸投げにしてしまうと指示した上司にそのまま返ってきます。部下へ具体的な指示を出さなかった場合、業務の進捗が滞ったり、ミスが発生したりするおそれがあるため、その分の責任を負うことになるでしょう。

部下にうまく仕事を任せるためのポイント

ここまでの内容を踏まえて、丸投げではなく仕事を任せるためのポイントを4つ紹介します。もし、現在できていないと心当たりがあれば、今からでも取り組んでみてください。

・部下の業務量を把握する
・部下の特性に合わせたタスクを依頼する
・具体的に指示を出す
・部下の業務進捗を把握する

部下の業務量を把握する

業務量の把握は仕事を依頼する準備として重要です。なぜなら、業務量を考えずに依頼しても、断られる可能性が高いためです。

残業は増えていないか、どのような業務を担当しているのかなど、現在の業務量を確認した上で指示を出しましょう。

また、担当業務のレベルについても考慮が必要です。難易度が低いタスクであれば新しい業務を依頼してもそれほど負担にはなりません。反対に、難易度の高い仕事を担当している場合は、負担として重くしかかることになります。

業務のバランスを整えるか、別の部下に依頼するかなど調整するためにも、日々の業務量を把握しておくことが大切です。

部下の特性に合わせたタスクを依頼する

仕事を依頼する際は、部下の得意分野やキャリア志向など、特性を理解した上でタスクを振ることが大切です。

たとえば、資料作成が得意な部下であれば、営業資料の作成などを振ることで仕事へのモチベーションが保てるでしょう。

強みを活かした仕事を部下に与えることで、自身でやり遂げようとする力が身につき、小さな成功体験を積み上げるきっかけにもなります。

具体的に指示を出す

指示を出す際は、できるかぎり具体的に落とし込みましょう。たとえば、仕事の目的や作業内容、注意点などを最初に共有すると認識のズレが防げます。

なお、自分の経験だけをもとに指示を出しても、必ず部下に通じる訳ではありません。成長を期待して、あまり多くを伝えない考え方もありますが、抽象的であればあるほど、意図しない方向に進んでしまう可能性もあります。

具体的な指示が不要なレベルに成長するまでは、できるだけ噛み砕いて伝えた方が作業時間の短縮や成果物の品質向上につながるでしょう。

部下の業務進捗を把握する

業務の進捗把握は、仕事を任せる側の責務といえます。納期遅れや予期せぬトラブルが起きないように、部下の進捗は常に把握しておきましょう。

なお、進捗の把握をしやすいように、仕事を依頼する時点での声がけも大切です。困ったときにはいつでも相談してもらった方がこちらも嬉しいと伝えると、部下の安心感につながります。

ただし、どれだけ依頼時に伝えたとしても、部下は上司の顔色や忙しさに気を遣ってしまいます。報告が遅れて進捗に影響が出る前に、上司から積極的にコミュニケーションをとりましょう。

スムーズな業務進捗のアイデアとして、タスク管理ツールを共有する方法があります。仕事を見える化できれば、進捗管理が容易になり、声をかけるタイミングも明瞭です。

まとめ

部下に仕事を任せる方法と丸投げとの違いについて解説してきました。部下の成長を促しつつ任せるためには、日頃のコミュニケーションが大切です。

具体的には、以下4つのポイントを押さえた依頼を心がけましょう。

・部下の業務量を把握する
・部下の特性に合わせたタスクを依頼する
・具体的に指示を出す
・部下の業務進捗を把握する

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上司・部下間とのコミュニケーションでお悩みの企業様は、ぜひお気軽にご相談ください。