中途採用者が期待外れになる原因|中途社員の能力を引き出すコツ

中途採用ではスキルや経験を求め、即戦力を期待する企業も少なくないでしょう。しかし、活躍を信じた中途採用者が期待外れということも起こり得ます。中途採用者が期待外れと感じるのは、育成環境が整っていないことも原因のひとつかもしれません。この記事では、中途社員の能力を引き出すために知っておきたいノウハウをご紹介します。


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中途採用者を期待外れだと感じる原因

せっかく中途採用しても「期待していたような戦力にならない」と頭を抱える方もいるのではないでしょうか。まずは、中途採用者を期待外れだと感じる原因をご紹介します。

転職者の能力を期待しすぎている

スキルや経験のある中途採用者は「企業の即戦力」として期待されがちです。もちろん、新卒採用と比べれば一定の活躍は期待できます。しかし、過度な期待は禁物です。

「すぐ即戦力になる」「成果を出してくれる」と転職者の能力を期待しすぎていませんか?もちろん入社後すぐに活躍できる中途社員も少なくありません。一方で、どれだけ経験があっても成果をあげるまでに時間がかかる人もいます。

期待をすればするほど、そのギャップに落胆することもあるでしょう。転職者の能力を過信することで期待外れのレッテルを貼っている可能性があります。

職場に馴染めず、柔軟な対応ができない

新しい環境に馴染むまでに時間がかかる方も少なくありません。同じ業界内の転職でも、これまでに在籍していた企業と雰囲気が大きく変わることもあります。

周囲とのコミュニケーションが上手くいっていないことで、本来の能力が発揮できていないことも考えられます。そのため、採用時には協調性があるかどうかを見極めることも重要といえるでしょう。

また、中途社員のなかには、前職でのやり方に固執しているケースもあります。自社での順応性が低く、成果が出せていないことで期待外れと感じることもあるでしょう。

高い給料に見合った働きをしていない

企業が中途採用者に求めていることは、経験を活かした活躍です。20代はポテンシャルや意欲が重視される傾向にありますが、30代以降はスキル・経験・リーダーシップなどの能力が求められます。そのため、高い給与を設定するケースも少なくありません。

給与に見合った成果を出せていない中途社員に対しては、期待外れと感じてしまうのです。

キーとなる役割を期待して、中途採用をすることもあります。高収入の中途社員が思うように成果を出せていないことで、期待外れとみなしてしまうこともあるでしょう。

やっていない?中途採用者にしてはいけない育成例

中途採用者を期待外れだと感じる原因が、会社側にあるケースもあります。中途採用者に対して、以下のような育成をしていないかをチェックしましょう。

中途採用者の育成計画を立てていない

自社で活躍できる人材を育てるためには、育成計画を立てることが大切です。どのようなポジションで活躍させるのか、会社側で明確にする必要があります。育成計画があいまいでは、中途採用者の能力を引き出すのは難しいでしょう。

育成計画がないと、中途採用者も自身に何が求められているのか、理解できないまま仕事を進めることになります。いつまでに何をすべきなのか計画を立てて、育成を進めましょう。

企業理念や価値観、業務の進め方を教えていない

業界や職種が前職と同じ場合でも、業務のやり方や企業の方針は違うことがほとんどです。中途社員に自社の企業理念や価値観を伝えていないことも、悪い育成例としてあげられます。自社の方向性を伝えることで、エンゲージメントの向上にもつながるため重要です。

また、経験があるからといって、中途採用者に何も教えず業務をさせることがないようにしましょう。研修や教育に手を抜くことで、自社のやり方が理解できず、業務に支障をきたすこともあります。

現場に馴染めるようサポートができていない

誰もが新しい環境へ飛び込むのは勇気が必要であり、馴染めるかどうか不安に感じます。中途採用者の入社後は、周囲の過度な期待からストレスに感じることも少なくありません。中途採用だからとフォローを怠ると、社内で孤立してしまうおそれもあるでしょう。

「本音で話せる相手がいない」「気軽に相談できる環境にない」など、なかなか馴染めずにいるかもしれません。周囲の人がサポートをしていないことが原因としてあげられます。

期待外れにしない!中途採用者の能力を引き出すためのコツ

中途採用者が期待外れにならないためには、入社後のフォローアップも不可欠です。ここからは、中途採用者の能力を引き出すためのコツをご紹介します。

中途採用者向けの教育体制を整える

企業側の教育体制が整っていないことで、中途採用者が実力を発揮できていないケースがあります。高いスキルをもった人材に対してでも、最低限の教育は必須です。中途採用者に問題を押し付けるのではなく、自社の入社後のプロセスに問題がないかを明確にしましょう。

中途採用者向けの教育体制を整えるために、マニュアルやナレッジなどを整備することも大切です。最初から放置すれば、やり方がわからずにミスを起こすこともあります。業務をサポートするためのツールを準備し、受け入れ体制を整えましょう。

自社が求める役割やキャリアプランを共有する

中途採用者には将来的に、マネジメントやリーダー職に就いてほしいと期待を込める企業も少なくありません。しかし、将来のビジョンを共有できていなければ、両者で方向性が違うことも起こり得ます。具体的なゴール設定をして、キャリアプランを共有しましょう。

入社直後に任せたい業務はもちろん、数年後のポジションについても話し合いが必要です。どのような役割を期待されているのかがわかれば、中途採用者も方向性が明確になります。中長期的なキャリアプランを用意して、本人とすり合わせをしておきましょう。

定期的に面談を実施する

時間をかけて育てる新卒社員とは違い、中途社員は入社後すぐに本格的な業務を任せられることがほとんどです。しかし、業務を進めていくうえで、環境の変化に不安を覚えることも少なくありません。少しでも早く自社に馴染んでもらうために、定期的な面談を実施しましょう。

中途社員との面談ではコミュニケーションを深めることが目的のひとつです。相手の悩みや不安を引き出し、高い能力を発揮できるようにフォローします。周囲とコミュニケーションをとる機会を設けて、環境に適応できるようにしていきましょう。

まとめ

中途採用者に対して期待外れと感じる原因はさまざまです。本人に問題があるケースもありますが、企業側の過度な期待によって、そのギャップに落胆しているのかもしれません。

また、スキルや経験がある中途採用者へのフォローアップを怠っていることも原因のひとつです。中途採用者向けの教育体制を整えて、環境に適応できるようにすることが大切です。せっかく採用した人材が「期待外れだった」とならないためにも、能力を発揮できるようにサポートしていきましょう。