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リワークプログラムとは

リワークプログラムは、メンタルヘルスの不調で休職した社員が、職場復帰に向けて心身を整えるための支援プログラムです。うつ病や適応障害などからの回復を支えるもので、再発防止や職場定着を目的に、段階的な復職準備を行います。ここでは、リワークの特徴と種類をわかりやすく紹介します。
リワークプログラムの特徴
リワークプログラムは、医療・心理・就労の三つの観点からの復職支援です。生活リズムを整えるリハビリ、集中力や判断力を鍛える作業訓練、グループワークによるコミュニケーション練習などが主な内容です。
また、ストレス対処法の習得や産業医・人事との面談を通して、復職後の再発防止にも重点を置きます。単なる回復支援ではなく、「職場で安定して働き続ける力」を養うことが特徴です。
リワークプログラムの種類
リワークプログラムは、「医療リワーク」「職リハリワーク」「職場リワーク」の三つに分類されます。
・医療リワーク
精神科や心療内科で行われ、医師や臨床心理士により治療と並行して復職を支援します。
・職リハリワーク
就労移行支援事業所などで実施され、体力・集中力・対人スキルを取り戻す訓練が中心です。
・職場リワーク
企業内で行うもので、短時間勤務や面談などを通じて、復職への段階的な調整を行います。
リワークプログラムの実施場所

ここでは、主な実施場所ごとの特徴と、企業がどのように関わることができるかを整理して紹介します。
医療機関
医療機関でのリワークは、精神科や心療内科で行われ、医師や臨床心理士、作業療法士などの専門スタッフがチームで支援にあたります。心理教育や作業訓練、グループワークを通じて、心身の回復と復職準備を段階的に進めるのが特徴です。
医師の診断や経過観察をもとに、症状の安定を確認しながら進行するため、治療と復職支援を両立できる点が大きな強みです。産業医や企業の人事担当者とも連携しやすく、復職可否の判断や勤務調整の検討にも役立ちます。
行政・福祉
行政・福祉機関では、地域障害者職業センターや就労移行支援事業所などでリワーク支援が提供されています。生活リズムの安定、職業スキルの再構築、コミュニケーション能力の回復など、「働く力」を総合的に取り戻す内容が中心です。
また、ハローワークや地域の支援機関と連携し、再就職や職場復帰後のフォローアップまで一貫して支援が受けられる点も特徴です。医療機関よりも費用負担が少なく、長期的に利用しやすい環境が整っているため、段階的なリハビリに適しています。
企業
企業内で行われるリワークプログラムは、社内の復職支援体制の一環として位置づけられます。人事部や産業保健スタッフが中心となり、短時間勤務の試行、段階的な業務復帰、上司との定期面談などを通じて復職者を支援します。
近年では、医療機関や外部リワーク施設と連携して、個々の社員の回復状況に合わせたプログラムを構築する企業も増えてきました。こうした取り組みにより、復職後の再発防止や早期離職の防止につながり、結果的に職場全体の生産性や心理的安全性の向上にも貢献しています。社員が安心して戻れる環境を整えることが、企業の重要な役割といえるでしょう。
リワークプログラムの主な内容

ここからは、プログラムの基本構成から実践的な訓練内容、再発防止のための心理的サポートまで順に解説します。
1.プログラムの基本構成
リワークプログラムは、働くために必要な生活リズムや体力・集中力の回復を目的として設計されています。
まず「初期」では、規則正しい生活を取り戻し、一定時間の活動に慣れることから始まります。
次の「中期」では、軽作業や認知訓練を通して集中力や持続力を高め、職場復帰への準備を進めます。
「最終期」では、実際の勤務時間に近いスケジュールで行動し、復職後の生活リズムを再現します。
段階を追ってプログラムを進め、無理なく職場復帰できるよう心身のバランスを整えていくことが特徴です。
2.実践的な訓練内容
実践的な訓練では、実際の業務に近い活動を通じて働く感覚を取り戻します。模擬業務や軽作業、PCを使った事務作業のほか、グループワークやディスカッションを通してコミュニケーション能力を鍛える内容も多く含まれます。
また、対人スキルやチームワークを再獲得するため、役割分担や共同課題の遂行など「職場でのやり取り」を想定した訓練も行われます。こうしたプログラムにより、復職後に求められる社会的スキルや協調性を無理なく再構築できます。
3.再発防止・心理的サポート
リワークプログラムでは、再発防止のための心理的サポートも重要な要素です。認知行動療法(CBT)を用いたストレス対処法の習得や、自己理解を深めるカウンセリングなどを通じて、再び同じ不調を繰り返さない力を養います。
さらに、プログラムの中では定期的な振り返りを行い、自身の変化や課題を客観的に見つめる機会を設けます。復職後も医療機関や人事担当者、産業医が連携してフォローアップを続けることで、安定した職場定着を支える体制が整えられています。
リワークプログラムを検討する際のポイント
リワークプログラムを導入・連携する際には、医療機関や復職希望者との情報共有、復職判断の基準、そして社内体制の整備が重要です。ここでは、企業として押さえておくべき三つの視点を解説します。
1.企業・医療機関との連携
リワーク支援では、主治医や産業医、外部リワーク施設との連携が欠かせません。医療側が「治療的支援」、企業側が「就労環境の調整」を担い、相互に情報を共有することで、適切な復職判断につながります。
具体的には、主治医からの診断書や回復経過を踏まえ、産業医が復職可否を判断し、企業側が勤務調整などを検討します。定期的な三者面談を設けることで、本人の状態や復職への不安を共有し、無理のない復帰スケジュールを立てられます。
2.社員の復職可否の見極め
社員の復職可否を判断する際は、生活リズムが安定しているか、勤務時間に耐えられる体力・集中力が戻っているかを確認し、段階的な復帰計画を立てることが重要です。
また、本人が「早く復帰しなければ」と焦っている場合は要注意です。焦りによる再発を防ぐため、産業医や上司、人事担当者がチームで判断し、必要に応じてリワーク施設の専門スタッフの意見を取り入れると安心です。
3.企業が整えるべき体制
企業は、リワークを「復職支援の一部」として位置づけ、復職後も継続的にフォローできる体制を整えることが大切です。勤務時間の段階的調整や、産業医・上司との定期面談を実施し、再発防止のためのモニタリングを行います。
さらに、社内で復職支援を体系化し、担当部署の役割分担や情報共有ルールを明確にしておくことも重要です。医療機関や外部支援機関と連携しながら、長期的な職場定着を支える仕組みの構築が求められます。
まとめ
リワークプログラムは、休職者の復職を単に支援するだけでなく、再発を防ぎながら職場に安定して戻るための「架け橋」となる取り組みです。企業としては、医療機関との連携やフォロー体制の整備を通じて、安心して働ける環境を整えることが欠かせません。
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