外部研修って社内研修とどう違う?外部研修のメリット、デメリットについても解説

社員研修を社内で実施している企業はたくさんありますが、社員のレベルアップや企業の組織力を高めるために、外部研修を積極的に取り入れる企業も増えています。 この記事では、外部研修と社内研修との違いや、外部研修を委託するメリット、デメリットについてお伝えします。


この記事は約10分で読み終わります。

社内研修と外部研修の違いについて解説

社員のスキルアップや学びを目的とした社員研修の主な種類に「新人研修」「スキルアップ研修」「マネジメント研修」「コミュニケーション研修」の4つが挙げられます。
今までの「新人研修」はビジネスマナーの習得や、業務に必要な知識や技術を教えるOJT(On-the Job-Training)を目的として行われる場合が多く、社内研修にて実施する企業がほとんどでした。

最近では、社会人としてのマインドセットを導入する企業も出てきました。学生と社会人との違いについて、理屈では分かっていても、実際の判断や行動に体現することは簡単なことではありません。

社会人としての自覚を持ち、自律した社員を目指す。この社会人としてのマインドセットがされることでほかの全ての研修が価値あるものになってきます。

こういった研修は、社内にリソースが無い場合が多く外部に委託する必要があります。
そして、「スキルアップ研修」「マネジメント研修」「コミュニケーション研修」といったビジネススキルの向上を目的とした場合、外部研修にて実施する企業が多い傾向にあります。

社内研修と外部研修の違い

「社内研修」とは社内の人事担当者などが実施する研修で「外部研修」とは外部の専門家や研修会社に依頼する研修を意味します。

企業のなかには社内研修では、労力のわりに効果が認められないといった課題を解決すべく、外部研修を委託するケースもあるようです。

外部研修のメリットとデメリット

上手く活用すれば効果の最大化につながる外部研修ですが、メリットもあればデメリットも存在します。ここでは外部研修のメリット、デメリットについてみていきます。

外部研修を行うメリット

外部研修を行うメリットは下記の5つです。それぞれ詳しくご紹介します。

・社内にノウハウがない分野の研修を実施できる
・最新のトレンドを学ぶことができる
・外部の講師から刺激を受けることができる
・社内の負担が軽減できる
・部外者だからこそ発言できる内容を取り上げることができる

社内にノウハウがない分野の研修を実施できる

外部研修では、その分野のプロや専門家の講師が行うため、社内にはノウハウがない分野の研修を実施できます。

さらに、指導や教育に優れている講師が行うため、受講側の理解や吸収速度も速く、緊張感を持って研修を受けられるようになります。

最新のトレンドを学ぶことができる

外部研修では「自社内でしか通用しないもの」ではなく、広く一般的なビジネスパーソンとしての姿勢やスキル、最新のトレンドを学ぶことができます。

組織内部の慣例に捉われないフレッシュなものの見方や、トレンドの考え方を取り入れられます。

外部の講師から刺激を受けることができる

社外研修では、社内研修では聞くことができない話が多いため、社員にとって刺激的な研修になるでしょう。

近年では、アイスブレイク(本題とは直接関係のない雑談や簡単なゲームなどを行うコミュニケーション法)や体験型のアクティビティ、ロールプレイングなどを入れて、息抜きしながら受けられる研修を導入している企業も増えています。

社内の負担が軽減できる

社内研修を行う場合、通常業務とは別に、研修担当者が資料作成や開催までの準備期間に時間と労力を費やす必要が出てきます。しかし、外部研修であれば、それらをすべて社外の業者や講師に依頼できるため、研修担当者の作業負担が軽減されます。

部外者だからこそ発言できる内容を取り上げることができる

同じ組織の中での研修の場合、普段からの上下関係や、部署間での問題など、全員が当事者であるため、合理的な研修が困難になることがあります。

たとえば、ハラスメントの問題などデリケートな内容を取り上げる際には、慎重にならざるを得なく、効果のある研修を行うことが難しい場合があります。

そういった場合、社外研修では、原理原則を明確に表現し、公平で現実的な研修を実施することができます。

外部研修を行うデメリット

外部研修のデメリットは下記の4つです。それぞれ詳しくご紹介します。

・社内の事情に合わせてスケジュール調節をするのが難しい
・社内のニーズに合った研修をやってもらえないことがある
・費用がかかる
・研修の効果を測定するのが難しい

社内の事情に合わせてスケジュール調節をするのが難しい

外部研修を導入する場合、スケジュールはすべて社外の業者や講師によって設定が行われるため、急遽日程調整が必要になっても対応してもらえないおそれがあります。

社内のニーズに合った研修を行ってもらえないことがある

スケジュールと同様、研修内容も自社に合わせて設定してもらえるとは限りません。そのため、研修内容が自社の課題を解決してくれる内容になっているかの確認は最低限必要です。また、自社の業務に密着した内容であれば社内研修の方が向いているため、社内か外部かケースバイケースで使い分けるとよいでしょう。

費用がかかる

講師の質や研修内容によってさまざまですが、社内研修に比べて育成コストが割高です。
一般的に参加者ひとりあたりに対して料金が発生するため、複数の研修を委託する場合には研修予算を超過しないよう注意しましょう。

研修の効果を測定するのが難しい

社外で研修を行うと、指導が任せっきりになりがちです。

しっかりフィードバックがないと、どれだけの学びを得たか社内で効果測定ができません。研修後は日報を提出する、フォロー体制がある研修会社に依頼するなどで補う必要があります。

効果測定をすることで、次回以降も研修を利用するかどうかの判断材料として使えます。

外部研修の種類と必要な費用

外部研修には「公開型研修」「カスタマイズ型研修」「eラーニング」の3種類があります。それぞれの特徴や費用について解説します。

公開型研修

公開型研修は、不特定多数の参加者が受講できる研修です。受講者一人ひとりの課題や希望に合った研修を選択することができます。

そのため、能力やスキルにばらつきのある社員たちを育成する場合に活用しやすい研修です。

費用は一人あたり約15,000〜3万円が相場です。複数人で受講するとかなりの費用となるため、。

カスタマイズ型研修

カスタマイズ型研修とは、企業のニーズに合わせてオーダーメイドで作成できる研修です。

カスタマイズ型研修には「体験型研修あり」「サポート体制が充実している」「業界が不問である」「会社に合わせて独自のカリキュラムを組める」といった特徴があります。
費用はカリキュラムや業者によって異なるため、一度見積もりを依頼してみましょう。

eラーニング

eラーニングを導入する場合、システムのセットアップ費用やレンタルサーバー代を含む初期費用10~20万円に加え、サービスを利用するにあたって発行するIDに対し、ひとりあたり5,000~1万円の発行費用が発生します。

効果が期待できる外部研修の依頼先を選ぶ6つのポイント

外部研修を委託する際に、効果が期待できる依頼先をチェックするポイントが6つあります。それぞれのポイントを確認していきましょう。

求めている内容の研修を実施しているか

ひとつ目は自社の課題を解決してくれそうかどうかが、大きなポイントになります。有名な研修会社や講師を選びがちですが、研修の目的は社員が現場で成果を上げることです。
そのため、研修会社の得意とする分野や特徴を理解し、自社に合った研修会社を選ぶ必要があります。
また、研修会社や講師によっては、成果を出すことや社員育成よりも、研修の実施を目的にしているところもあるでしょう。委託する際には入念にチェックしてください。

組織全体のモチベーションを高めたい、社員のキャリア開発を支援したい、離職を防ぎたいとお考えの企業は、東京・ビジネス・ラボラトリーの企業研修をご検討ください。

東京・ビジネス・ラボラトリーの企業研修では、心理学のメソッドを活用したビジネス・トランスフォーメーションをご提供しています。

企業のニーズや環境に合わせてカスタマイズしたプログラムを受けることができます。

詳しくは「TBL企業研修・セミナー」をご覧ください。

研修・講師の実績に満足できるか

研修実績や講師の実績も必ず確認しておきたいポイントです。

・実施件数
・委託している業界
・得意な研修範囲
・これまでの経歴など

注目すべきはどのような業界や、どれぐらいの企業規模が委託しているのかがポイントになります。同規模の同業他社が委託しているのであれば、高い可能性でニーズとマッチングしているといえます。

ニーズに合う研修の実施形式を取ってくれるか

前述したeラーニングのようなオンラインをはじめ、自社が求める実施形式で研修を行ってもらえるかどうかも選ぶポイントになります。

・講師派遣タイプ
・集合研修タイプ
・公開研修タイプ

上記のような、ある程度の選択肢をもった研修企業に委託することで、研修担当者もなぜその実施形式を選んだのか、会社に報告しやすくなります。

研修内容のアレンジが可能か

限られた時間と予算を最大限に活かすためには、既存の研修プログラムだけでなく、自社の課題解決に合わせたプログラムにアレンジできるかどうかもチェックする必要があります。

研修内容が自社の目的やニーズにマッチしていない場合、社員が研修を受ける価値がなくなってしまうおそれもあるため、自社に寄り添い、柔軟に対応してくれる研修会社をぜひ探してみてください。

プラスαのサポートがあるか

研修実施後のサポートやアフターフォローの有無もポイントの対象となります。アンケートによる満足度だけでなく、研修の様子、受講者の感想、講師の総評といったフィードバックをしっかり行っている研修会社を選ぶようにしましょう。

また、マイクを通じて話す声の大きさが適正であったか、どの座席に座っても前がちゃんと見える配置になっていたかなど、必要機材の準備や研修の雰囲気づくりにも気を配っていたのか確認するようにしましょう。

納得感のある費用感か

研修内容に見合った費用かどうかもポイントです。高ければよいというわけではありませんが、あまりに安すぎる研修会社の場合、アレンジの依頼や実施形式の要望を伝えても柔軟に対応してもらえない場合があります。

自社の課題解決にマッチした内容で実施され、かつ予算内でできそうかどうか、しっかりと見極めることが重要になります。

外部研修の効果を最大化する3つの方法

せっかく費用をかけて外部研修を依頼するのであれば、効果を最大限に実感したいところでしょう。ここでは、外部研修の効果を最大化する方法を解説します。

外部研修会社とコミュニケーションをとる

研修は企業理念に沿って行うことが大切なため、外部研修会社とコミュニケーションを取りながら、研修を進めていくようにしましょう。

コミュニケーションをとる際は、外部研修を行う理由と目的をしっかりとすり合わせるようにしてください。

外部研修と社内研修を織り交ぜる

必ずしもすべての研修を外部研修で行うほうがよいとは限りません。

たとえば、自社独自のサービスは上司から、一般的なビジネススキルは外部講師からというように、目的に合わせて使い分けることで効果を最大限に感じられます。

研修の目的を社員に周知する

研修をする際は、社員に研修の目的を理解してもらうことが大切です。研修を受けることにより、日々の業務でどのように活かせるのか、仕事をするうえでどんなメリットが得られるのかを具体的に伝えるのがポイントです。

研修の意欲向上にもつながるため、事前に研修の目的を社員に周知するようにしましょう。

まとめ

外部研修の委託にはメリットもデメリットも存在します。社内研修と使い分けて、効果的に社員研修を行いましょう。

東京・ビジネス・ラボラトリーの企業研修では、心理学のメソッドに基づいて企業の成長をサポートしています。

社員一人ひとりのポテンシャルを引き出す環境づくりや、組織の最適化を促すプログラムのアレンジにお悩みの場合は、気軽にご相談ください。