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モチベーションマネジメントとは?
モチベーションマネジメントとは、社員の仕事に対するモチベーションを高めることで成果を向上させ、離職防止も図るという手法です。モチベーションマネジメントでは、社員の仕事に対するやる気を維持するための環境を整えることが重要になります。
モチベーションは大きく分けて、「内発的動機づけ」と「外発的動機づけ」の2種類に分類されます。内発的動機づけは、社員自身の内なる欲求から生まれるものであり、外発的動機づけは、評価や報酬などの外的要因から生まれる欲求です。
部下のモチベーションを向上させる方法については、下記の記事もご覧ください。
部下のモチベーションを上げるには?適切なやり方やポイントを解説
内発的動機づけ
内発的動機づけは、本人の内なる要因から生まれる欲求です。具体的には下記のようなものが含まれます。
・仕事にやりがいを感じる
・仕事を通じての成長実感がある
これらの要因は、社員が自発的に仕事に取り組む動機となり、持続的なやる気を引き出すために重要です。
外発的動機づけ
外発的動機づけは、評価や報酬などの外的要因から生まれる欲求です。具体的には下記のような要素があります。
・上司や同僚からより高い評価を受けたい
・収入や役職を上げたい
これらの外的要因は、短期的なモチベーション向上に効果的ですが、長期的なやる気を維持するためには内発的動機づけとのバランスが重要です。
モチベーションマネジメントに役立つ心理学の理論
心理学の理論は、モチベーションマネジメントに活かすことができます。ここでは近年注目されている手法を紹介しましょう。
NLP(神経言語プログラミング)
NLPはNeuro Linguistic Programming(神経言語プログラミング)の略称で、心理学と言語学の観点から新しく体系化された人間心理とコミュニケーションに関するスキルです。
NLPを活用した、ネガティブな思考パターンをポジティブに転換する技術や、効果的なコミュニケーションスキルは、モチベーション醸成を加速させるでしょう。
NLPについて、詳しくはこちらの記事もご覧ください。
マインドフルネス
マインドフルネスは、仏教を由来とした瞑想法で、今この瞬間に完全に心を集中することを目指します。この瞑想法を取り入れることで、社員の集中力や自己認識力が向上し、ストレスの軽減にもつながるとされています。
また、未来の自分をより明確にイメージできるようになることで、長期的にモチベーションを保っていけるようにもなります。具体的には、毎日の業務に短時間の瞑想を取り入れたり、定期的なマインドフルネスセッションを実施したりすることが効果的です。
社員のモチベーションが低下する原因とは
モチベーションの低下は、社員の生産性や会社全体の業績に悪影響を及ぼすことがあります。ここでは、社員のモチベーションが低下する主な原因や、それぞれに対する対策を考えてみましょう。
待遇や評価への不満
待遇や評価への不満は、社員のモチベーション低下の大きな要因のひとつです。給与や昇進の機会が不公平に感じられると、社員は自分の努力が報われないと感じ、モチベーションが下がります。
対処法としては、透明性のある評価制度を導入し、社員一人ひとりの成果を正当に評価することが重要です。また、定期的なフィードバックを行い、社員が自己成長を実感できるようにしましょう。
人間関係への不満
職場の人間関係が社員のモチベーションに与える影響は、少なくありません。上司や同僚との関係が良好でないと、職場環境がストレスフルになり、仕事に対する意欲が低下します。
対処法としては、コミュニケーションの機会を増やし、チームビルディング活動を行うことが有効です。定期的なミーティングや社内イベントを通じて、社員同士の信頼関係を築きましょう。
業務内容への不満
業務内容に対する不満も、モチベーション低下の原因となります。特に、想定していた仕事と現実の業務にギャップがある場合や、自分の裁量権が少ない仕事に従事している場合、社員はやりがいを感じにくくなるでしょう。また、長時間の残業や休日出勤が続くと、身体的な疲労が蓄積し、モチベーションが低下します。
対処法としては、社員に適切な業務を割り振り、裁量権をもたせることが重要です。また、働き方改革を推進し、ワークライフバランスを実現するのも良いでしょう。
将来への不満
将来に対する不安もモチベーション低下の一因です。将来のキャリアパスが不透明であったり、会社の将来性に対する不安があったりすると、社員は目先の仕事に集中できなくなります。
対処法としては、社員一人ひとりのキャリアプランを明確にし、将来のビジョンを共有することが大切です。定期的なキャリアカウンセリングや研修を実施し、社員のスキルアップを支援しましょう。
モチベーションマネジメントの施策例
社員のモチベーションを高めるために、どのような施策を実行すれば良いのでしょうか。一人ひとりのやる気や業務効率を向上させ、組織全体の生産性を向上させるための、具体的なモチベーションマネジメントの施策例を紹介します。
人材の適切な配置
求められる業務遂行能力と個人の能力とを入念にすり合わせ、それぞれの業務に適した人材を配置しましょう。現在の実力だけでなく、配置転換後の成長も見越しておくことが必要です。これにより、社員は自分の能力を最大限に発揮できる環境で働くことができ、モチベーション向上に結びつきます。
人事評価制度の見直し
人事評価制度を見直す場合のポイントは下記の通りです。
・成果だけでなく、業務のプロセスに対する評価も行う
・双方向型のフィードバックを取り入れる
・経営方針と評価制度をすり合わせる
これにより、社員は自分の努力やプロセスが正当に評価されると感じ、やる気をもって仕事に取り組むことができます。
社員ごとの目標・育成計画設定
目標設定時には、社員の自己成長と企業への貢献の両方を含めた目標管理制度(MBO)が役立ちます。また、育成計画としては、研修や講習を実施するほか、資格の取得を推奨するなどのきめ細かな支援が欠かせません。これにより、社員は自分の成長を実感しながら働くことができ、モチベーションの向上に寄与します。
社員同士が褒め合う仕組みづくり
社員同士が互いの仕事に関心を抱き、成果やプロセスをフィードバックし合う習慣をもつことで、社員の満足度を高める効果があります。具体的には、ピアボーナス制度(※)の導入などがあげられます。これにより、社員は自分の努力が認められることを実感し、さらにモチベーションを高められるでしょう。
※社員同士が業務や成果を評価し、報酬を送り合う仕組み
職場環境の改善
空調や照明などの室内環境や、事業所内の人間関係など、社員を取り巻く環境を改善することも効果的です。快適でストレスの少ない職場環境は、社員の集中力を高め、結果的にモチベーションの向上に導きます。
モチベーションマネジメント成功のポイント
モチベーションマネジメントは、コツを押さえることでより成功に近づきます。ここでは実践的なポイントを4つ紹介しましょう。
社員の意見を聞く
管理職が社員に歩み寄り、彼らの意見をしっかりと聞くことは、モチベーションマネジメントの基本です。社員が自身の状況や意見を管理職に伝えることで、信頼関係が築かれ、安心感が生まれます。これにより、職場全体のコミュニケーションが円滑になり、モチベーションが向上します。
働く目的と指針を示す
社員が自身のスキルを最も発揮できる職務を見つけることは、働く目的を明確にするために重要です。強みや特性を考慮しつつ適切な役割を与えることで、社員は自信をもって業務に取り組むことができ、モチベーションも自然と高まります。
モチベーションの状況を定期的に確認する
定期的な1on1ミーティングなどにより、社員のモチベーションの状況を把握しましょう。これにより社員が抱えている悩みや課題を早期に発見でき、適切な対応が可能になります。
研修を行う
研修を通じてスキルアップやキャリア開発を支援するのも、社員のモチベーション向上に効果的です。研修によって新しい知識やスキルを習得することで、社員は自己成長を感じることができ、モチベーションが高まります。
また、社内のリソースやノウハウが不足している場合は、外部のプロへの依頼も検討しましょう。プロのサポートを受けることで、より効果的なモチベーション向上策を実施することが可能になります。
まとめ
モチベーションマネジメントは、社員のやる気を持続させ、組織全体のパフォーマンスを底上げするための重要な手法です。今回解説した内容をもとに自社の方法を見直してみましょう。
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