部下が喋らなくなったのは管理者の責任?原因と対処法を確認しよう

「以前は活発に意見を言っていたが最近はあまりしゃべらなくなったな」など、自身の職場で部下の変化を感じたことはありませんか。 口数が減ったと軽い認識で対策をしなかった結果、メンタルを病んで休職したり、職場の不満を溜めて退職したりと大きな損失につながる可能性があります。最悪の場合、離職という事態も招きかねません。 そうならないためにも、部下が喋らなくなってしまった原因を早い段階で突き止めておくことが大切です。そこで今回は、部下が喋らなくなった原因とその対処法について解説します。 今日から実践できる内容が多く含まれていますので、喋らなくなってしまった部下の考えを理解するためにも確認してみてください。


この記事は約7分で読み終わります。

部下が最近喋らない…考えられる原因5つ

部下がだんだん喋らなくなる原因として、次の5つが挙げられます。

・自信を喪失している
・プライベートで問題を抱えている
・上司への信頼を失っている
・メンタルに不調をきたしている
・退職を検討している

部下が喋らない状況を放っておくと、同じように喋らなくなる部下が増える可能性もあります。ここでは、原因ごとの詳しい内容についてみていきましょう。

1.自信を喪失している

部下が喋らなくなった原因として考えられるのは、自信をなくしている状態です。

自信をなくすまでには一方的に否定されたり、何度もダメ出しをされたりと、うんざりするような経験をしている可能性もあります。執拗なダメ出しを受ければ、どんな人であっても気持ちが落ち込んでしまうはずです。

さらに、大きな失敗や思うように成果が上がらないことに悩み、自信をなくしているケースもあります。今まで活発に話をしていた部下が、ある日を境に喋らなくなった場合は、自信を喪失している場合があるので要注意です。

2.プライベートで問題を抱えている

プライベートで問題が起きている場合、頭の中がその問題でいっぱいになり、職場でしゃべらなくなるケースもあります。上司から見れば職場での姿がすべてですが、部下にも仕事以外にプライベートの時間があるはずです。

家族とのケンカや恋人との別れなど、プライベートが原因でふさぎ込んでいる場合も考えられます。仕事以外での問題で、自分から喋る元気も無くなってしまっている状況であれば、整理がつくまで見守る必要があります。

3.上司への信頼を失っている

部下が上司だけに喋らなくなっているのであれば、上司に対する信頼を失っている可能性があります。

上司が取った行動や何気なく発した言葉を、部下はよく見ているものです。そのため、矛盾した行動や理不尽な発言をしている上司は、部下からの信頼を失います。

部下の信頼を失ったままでは必要なコミュニケーションもままならず、チームの業績が悪化してしまうおそれもあります。

また、部下の勘違いによって、上司への信頼を無くすこともあるため、上司から話しかけて誤解を解く努力も必要です。

4.メンタルに不調をきたしている

喋らなくなる原因で特に注意が必要なものは、メンタルに不調をきたしている場合です。メンタルに不調をきたすとエネルギーが著しく低下するため、喋ること自体が億劫になります。

挨拶や服装の乱れが目立ってきたり、急に勤務状況が乱れていたりするならば、メンタルに問題が生じているサインかもしれません。また、頑張りすぎて燃え尽きてしまい、突然糸が切れたようにメンタルに支障をきたすケースもあります。

ただし、メンタルに問題を抱えている部下への対応は、慎重に行うことが必要です。社内に相談できる方がいなければ、産業医などに対応をお願いすることも検討してみましょう。

5.退職を検討している

部下が退職を検討している場合も、喋らなくなる原因のひとつです。今の職場や上司、同僚などに何らかの不満を感じて退職を検討している場合、うかつに口を滑らせまいと喋らないようにしている可能性があります。

企業にとって退職は業績に悪影響が出るだけでなく、連鎖的に退職が増えるリスクもあります。そのため、退職を切り出される前に、今の職場で前向きに働くためには何を改善すればいいのか話し合う場を設けなければなりません。

退職を検討している職員の対応は、慎重に臨みましょう。連鎖的な動きに対しては企業全体で対応することが必要です。

喋らなくなった部下に上司からできる5つの対処法

喋らなくなった部下に上司からできる対処法として、次の5つが挙げられます。

・小さな成功体験を積ませて自信をもたせる
・積極的に褒めてみる
・新たな体験をさせてみる
・部下との話し合いの場を設ける
・上司自身の行動や言動を改める

喋らなくなったからといって、無理に喋るよう働きかけても部下の気持ちは動きません。部下をコントロールしようと行動すればするほど、期待した結果とはかけ離れたものになってしまいます。

ここでは、対処法ごとの詳しい内容について見ていきましょう。

1.小さな成功体験を積ませて自信をもたせる

まずは、小規模な仕事を任せるなどして、成功体験を積ませましょう。成功体験は重ねるごとに自信へと変わります。自信がもてるようになった部下は職場内での存在感も増し、自然と責任ある発言が増えてくるはずです。

そのため、上司は仕事の調整やサポートをして、部下が成功体験を積めるような環境を整える必要があります。はじめのうちは口出しをしたくなると思いますが、自信をつけてきた部下には仕事を任せ、さらに成功体験を積めるようにしてみてください。

2.積極的に褒めてみる

喋らなくなってしまった部下には積極的に声をかけ、小さなことでも褒めてみましょう。部下が喋らなくなった理由が自信の喪失やメンタルの低下である場合「自分はなんてダメなんだ」と自己肯定感が低くなっている傾向があります。

そのため、部下の様子をよく観察して部下が褒めてもらいたいポイントを分析してみましょう。
部下も自身が注力していたり、努力していたりするポイントを褒められれば「認められている」と認識できます。

無理に褒めようと難しく考えすぎず、素直に感謝の気持ちを伝えることで、部下の心を開くきっかけになるはずです。

3.新たな体験をさせてみる

少しでも自信がついてきた部下には、新たな体験をさせてみるのもひとつの手です。

いつもとは異なる仕事には新たな知見が多く含まれており、部下の可能性が広がるきっかけにもなります。また、モチベーションが落ちているスタッフには、程よく刺激を与えることで気分を変える試みにもなるでしょう。

そのためには、部下のやりたい仕事や興味がある分野を把握しなければなりません。上司から積極的に声をかけていれば、自然と部下からも意見が上がってきます。その意見をもとに、部下が新しい業務へチャレンジできるようサポートしましょう。

4.部下との話し合いの場を設ける

上司であるあなた自身から行動した後は、ゆっくり部下と話せる場を設けてみましょう。喋らなくなった理由が、上司への信頼低下や職場への不満であればなおのことです。

まずは、最後まで部下の言葉に耳を傾け、話を聞くことを意識してみましょう。決して自分の意見を押し付けようとせず、しっかりと傾聴してあげてください。

会話をする際、上司の方から率直な姿勢を見せることも効果的です。例えば「最近、会話が少ない気がして、心配しているんだけど、何かあった?もしかしたら、私の仕事の進め方に疑問を持っていたりしないかと思って」など部下に聞いてみるといいでしょう。

とても勇気のいることですが、上司の方から心を開いていくことで、どのような理由であったとしても部下も本音を語りやすくなります。

部下が上司とマン・ツー・マンで話すのが難しい場合は、カウンセリングサービスを利用することもひとつの手です。きっと部下が抱えている不安や不満が見えてきて、解決すべき問題が明確になるでしょう。

5.上司自身の行動や言動を改める

喋らなくなった原因が上司にある場合、自分の言動を見直して部下からの信頼を徐々に取り戻すしかありません。上司が変わろうとしている姿を見れば、部下も期待して少しずつ信頼してくれるはずです。

信頼を少しずつでも回復できれば部下が閉ざしていた心もオープンになり、自然と口を開いてくれるでしょう。信頼を壊すことは簡単です。しかし、信頼を得るためには多くの時間と確かな実績が必要なため、上司も努力するほかありません。

また、部下からの信頼を得るためには、上司自身の人間力を高める必要があります。ただし、人間力についてはマニュアルによって伝達されるものでなく、体系的に学ぶ機会はとても少ないです。

そこで、人間力を高めるためにも外部による研修サービスの受講をおすすめします。東京・ビジネス・ラボラトリー」では、勤務年数や役職に応じてさまざまなセミナーを用意しており、部下のメンタル面を支える方法を体系的に学べます。

また、紹介したカウンセリングも依頼できるため、状況に応じて上手く「東京・ビジネス・ラボラトリー」を活用してみてください。

まとめ

部下が喋らなくなってしまう原因は、不満やストレス、モチベーションの低下などが挙げられます。その原因を察知して適切に対応できなければ、部下の不満や不安は解消されず、さらに悪化するおそれもあります。

まずは、部下に変化を求めるのではなく、上司であるあなた自身が言動を変えてみましょう。現状を変えようと試行錯誤している姿は、部下の目にもしっかり届くはずです。それでも解決が難しい場合は、外部のサービスを利用するなど現状を好転させる手段を模索してみてください。