目次
部下とのコミュニケーションが重要な理由
部下とのコミュニケーションが重要な理由は、社内に良い循環を生み出すためです。コミュニケーションの質を向上させられれば、部下のモチベーションが上がり、仕事の効率や生産性を高められます。
部下一人ひとりの成長は、組織の成長にもつながります。部下が仕事に意欲的になれば、上司も指示やサポートを積極的に行いやすくなるでしょう。
部下とコミュニケーションを取るメリット
組織において、部下との円滑なコミュニケーションは非常に重要です。まずは、部下・上司、それぞれが得られるメリットについて解説いたします。
部下側のメリット
円滑にコミュニケーションを取ることで得られる部下側のメリットは、大きく分けて3つです。それぞれ順番に解説していきます。
成長につながる
円滑なコミュニケーションが取れていれば、業務やメンタル面での悩みや課題を打ち明けやすくなります。部下の能力や状況に合わせた、適切なアドバイスをしてもらえる機会が増えるでしょう。組織目標や個人目標の達成に向けて、成長することができます。
ストレスを一人で抱える心配がなくなる
日ごろからコミュニケーションが活発な組織であれば、悩みを一人で抱えることはありません。信頼できる上司に都度相談できるため、必要なサポートしてもらえます。
ストレスを誰にも相談できず、離職を検討し始めるといった事態は起こらなくなるでしょう。
モチベーションが向上する
上司が仕事の状況を把握して適度に声かけやアドバイスを行ってくれるため、「自分のことを気にかけてくれている」と認識でき、モチベーションが向上します。
パフォーマンスを最大限に発揮できれば、生産性も向上するでしょう。
上司側のメリット
コミュニケーションのメリットがあるのは部下だけではありません。質の高いコミュニケーションは、上司側にとってもメリットがあります。
部下のサポートができるようになる
コミュニケーションが円滑に取れていると、部下の状況を的確に把握できます。トラブルに早急に対応したり、未然に防いだりなど、適切なサポートが行えるでしょう。結果として、チーム全体の業務レベルを向上させられます。
仕事の指示を与えやすくなる
日ごろのコミュニケーションを通して、一人ひとりの仕事量や能力が把握できれば、部下にとってより適正の高い業務を割り当てられます。
また、業務量や課題をチーム全体で共有することで、過度な量の業務を割り振ってしまう事態も防げます。生産性の向上や、離職率の低下にもつながるでしょう。
部下からの信頼を得られる
コミュニケーションを取りやすい雰囲気・環境を作れば、部下からの信頼を得られるでしょう。部下が悩みや問題を相談しやすい関係性を築くことで、チームの結束力も強くなります。
上司がチームの状況を的確に把握している組織では、円滑に業務が進むようになります。
部下とのコミュニケーションがうまくいかない原因
部下とのコミュニケーションがうまくいかない原因は、部下の育ってきた環境に起因するもの、上司自身の姿勢によるものなどがあります。
以下では、代表的な例をご紹介します。
世代間のギャップがある
上司と部下の間に大きく年齢差がある場合、コミュニケーションが上手くいかないケースは珍しくありません。
昨今の若い世代は、SNSを通したインターネットでのコミュニケーションが得意な一方で、対面でのコミュニケーションには慣れていない傾向にあります。
上司と部下、それぞれの世代における特徴を理解することが大切です。
コミュニケーションを取りにくい雰囲気がある
上司が忙しい場合や、外出が多く部下と一緒にいる時間が少ない場合は、コミュニケーションがおろそかになりがちです。また、部下が雰囲気を察して、コミュニケーションを取りにくくなっている傾向にあります。
以下のような状況になっていないか、振り返ってみましょう。
・個別に話す機会が少ない
・テキストコミュニケーションが多い
・不満や疲れが顔に出ている
心当たりがある場合、気軽に相談できない職場になっている可能性があります。
リモートワークの増加
昨今は社会情勢の変化から、「週〇日はリモート可」など、勤務体制にリモートワークを組み込んでいる企業も増加しています。相対的に、対面でコミュニケーションを取る機会は減少している状況です。
リモートワークの最大の欠点は、部下の業務量や悩み、変化などに気付きにくくなる点です。ささいな変化を見落とさず、細やかなコミュニケーションを心がけましょう。
部下と適切にコミュニケーションを取るための5つのコツ
部下と適切なコミュニケーションを取るためのコツがあります。そのコツは、下記の5つです。
・部下が接しやすくなるような環境をつくる
・コミュニケーションを習慣化する
・仕事の目標を伝えて納得してもらう
・上司のスケジュールを部下に共有する
・些細なことでも褒める癖をつける
知らないとなかなか気づかないポイントです。部下とのコミュニケーションで悩んでいる方は、必ず把握しておきましょう。
①部下が接しやすくなるような環境をつくる
上司と部下の間にある上下関係は常に意識しましょう。上司としては優しく接しているつもりでも、部下にとっては接しづらさや威圧感を感じている場合があります。
部下が上司に接しにくい印象をもっていると、報連相が遅れたり組織として作業効率が下がったりするおそれがあります。
部下とコミュニケーションを取るときは、「作業している手を止めて話を聞く」、「話に割り込まずすべて聞く」などを意識しましょう。
②コミュニケーションを習慣化する
コミュニケーションを習慣化すると、部下と信頼関係を築きやすくなります。たまに話す程度の上司よりも、毎日話しかけてくれる上司の方が信頼感を抱きやすいからです。
コミュニケーションは、必ずしも仕事の話でなくてもかまいません。天気や時事ネタなど、何気なく話せる話題だと、部下も話しやすいでしょう。
コミュニケーションを習慣化するためには、タスク化がおすすめです。毎日5分でも10分でも良いので、部下とのコミュニケーションの時間を組み込んでおきましょう。
③仕事の目標を伝えて納得してもらう
部下が自身の目標を理解していると、上司も部下とコミュニケーションを取りやすくなります。
普段の業務では、「なぜこの仕事をやるのか」「どういった成果につながるのか」といったことを把握する機会はありません。業務の意義を見失うと、モチベーションの低下や業務効率の低下を引き起こします。
注意や指摘も、同じ目標に向かっていれば部下は納得しやすくなります。納得してもらうためには、目標達成するメリットを具体的に伝えると良いでしょう。
④上司のスケジュールを部下に共有する
上司のスケジュールは部下に共有するようにしましょう。部下は上司のスケジュールを知っていると、話しかけるタイミングを見計らいやすくなります。
部下は上司のスケジュールが分からないと、急に初めての仕事を進めることになっても、いつ相談できるかが分からなかったり、場合によっては自身の予定も崩れたりして、不安やストレスを感じる原因になります。
予算や経営に関する会議の予定も共有すれば、部下は社内で起きていることを把握しやすくなります。社内のシステムやGoogleカレンダーを使えば簡単にできるため、実践しましょう。
⑤些細なことでも褒める癖をつける
部下は褒めて伸ばしましょう。褒められて嫌な人はいません。些細なことでも褒めるように意識することが大事です。
意識しなければ、意外と人を褒める機会は少ないです。褒められないと、部下は自分の存在意義を見失ってしまいます。
部下は褒められるとモチベーションが上がり、さらに高い目標を目指せるようになるでしょう。褒めるのはスピード感が大事です。部下の良い点を見つけたらすぐに褒める癖をつけましょう。
職場のコミュニケーション課題や解決方法については、「職場のコミュニケーションの課題|解決するためにできること」で詳しく紹介しています。
部下とのコミュニケーションで避けるべき5つの行動
部下とのコミュニケーションは大事ですが、注意すべきポイントもあります。部下とのコミュニケーションで避けるべき行動は、下記の5つです。
・相手によって態度を変える
・社内や人前で叱責する
・自分の非を認めない
・他人の意見に耳を傾けない
・ネガティブな雰囲気を与える
上記のポイントを意識しないと、部下とのコミュニケーションが逆効果になってしまう可能性もあります。上司の方は必ずチェックしておきましょう。
①相手によって態度を変える
相手によって態度を変えるのはNGです。上司も人間である以上、好き嫌いはありますが、上司としてはなるべく平等に接するようにしましょう。人によって態度を変える上司は、人間としても尊敬されません。
ただ、はっきり言うべきときはあります。平等な対応は心掛けつつ、八方美人にはならないように注意しましょう。
②社内や人前で叱責する
他の人がいる場では叱責しないようにしましょう。たとえ正しいことを言っていたとしても、部下は周りを気にしてしまい、内容が頭に入ってきません。
人前での叱責は、相手のプライドや自尊心を傷つけます。問題を報告しなかったり、相談をしてくれなくなったりという負の循環を引き起こす可能性が高いです。
注意・指摘があるときには人前は避け、部下の意見も聞けるような環境づくりが必要です。
③自分の非を認めない
自分がミスをしたら、相手が部下であろうとしっかり謝りましょう。自分の非を認めない上司は人としても尊敬されません。自分のミスを部下のせいにするのはもってのほかです。
上司にミスがあっても、なかなか部下からは指摘できません。適切なコミュニケーションを取るためには、人として尊敬される行動を意識しましょう。
④他人の意見に耳を傾けない
相手が部下だからといって、意見をないがしろにしてはいけません。部下にミスがあったときに、理由を聞かず頭ごなしに責め立てるのはNGです。上司の思い込みで叱ってしまっているケースもあります。
ミスがあったときは、なぜミスが起きてしまったのかを部下自身に考えてもらうことが大事です。上司が知らなかった原因があるかもしれないので、人の意見には耳を傾けるようにしましょう。
⑤ネガティブな雰囲気を与える
ネガティブな雰囲気は、部下にマイナスな影響を与えてしまいます。上司がネガティブな雰囲気を与えると現場全体がネガティブになり、作業効率が落ちてしまいます。
ストレスが溜まったときは愚痴を言いたくなるかもしれませんが、グッとこらえましょう。少なくとも社内にいるときは、部下のやる気を上げるような発言が望ましいです。
部下とのコミュニケーションを円滑にするために企業・外部研修を導入しよう!
部下とのコミュニケーションを円滑にするには、企業・外部研修の導入もひとつの手です。企業・外部研修を導入すると、客観的な視点から部下とのコミュニケーションを見直せます。
企業・外部研修なら東京・ビジネス・ラボラトリー(TBL)をご利用ください。TBLでは心理学のメソッドでコミュニケーション研修を行い、部下とのコミュニケーションや関係構築をサポートします。
上司・部下間でのコミュニケーションで悩んでいる企業様は、ぜひお気軽にご相談ください。
まとめ
部下とのコミュニケーションは組織全体に影響を及ぼすため、意識すべきポイントのひとつです。本記事で紹介した適切なコミュニケーションを取るためのコツや避けるべき行動を知ると、より良いコミュニケーションに近づきます。
ただ、部下とのコミュニケーションはトラブルも多いため、企業・外部研修の導入をおすすめします。TBLでは心理学のメソッドで部下とのコミュニケーションや関係構築のお手伝いをしますので、お気軽にご相談ください。