仕事ができない部下は見切りをつけるべき?メリット・デメリットや対応を解説

仕事ができない部下がいる場合には、その部下に見切りをつけるかどうかは上司にとって難しい問題です。見切りをつける場合には、その後の対応も考えなければなりません。 本記事では、仕事ができない部下に見切りをつけるべきかどうかの判断基準や、見切りをつけた後の対処法などについて解説していきます。


この記事は約10分で読み終わります。

諦めも肝心!見切りをつけるメリット・デメリット

上司として仕事ができない部下に対して、見切りをつけたくてもためらってしまう人もいるでしょう。また、なかなか見切りをつけられず、中途半端な状態が長く続いている職場もあるかもしれません。

しかし、必要であれば思い切って見切りをつけることも重要です。ここでは、仕事のできない部下に見切りをつけるメリットとデメリットについてご紹介します。

メリット

上司として、仕事ができない部下に見切りをつけるべきかどうかは、とても悩ましい問題です。「見切りをつけるのは、人材育成という観点からみて良くないことなのでは」と、踏みとどまっている方も多いのではないでしょうか。

しかし、見切りをつけることにはメリットもあります。詳しくみていきましょう。

より適性のある仕事を見つけられる可能性がある

仕事ができない部下に見切りをつけると、より適正な人材配置ができる可能性があるのがメリットです。部下は仕事内容が合っていなかったために、仕事ができなかった可能性があります。

その場合は、見切りをつけて異動や退職を促しましょう。より適した人材に仕事を振ったり、新たな採用につなげられたりします。

仕事内容が合っていなければ、いつまで経っても仕事ができるようにはなりません。思い切って見切りをつけると、組織にとっても部下にとってもメリットになる可能性があります。

上司の負担が減る

仕事ができない部下に見切りをつけると、上司の負担が減ります。仕事ができない部下は、マネジメントに手間がかかるため、教育したりミスをカバーしたりするのに上司の時間と労力が必要です。

思い切って見切りをつけると、それまで仕事ができない部下に使っていた時間と労力を別のことに充てることができます。上司自身の仕事の効率が上がったり、ほかの部下の面倒を見たりすることができるのです。

デメリット

仕事ができない部下に見切りをつける行為には、デメリットも存在します。
見切りをつける際は、事前にデメリットも把握しておきましょう。

最低限の管理は結局必要になる

仕事ができない部下に見切りをつけても、会社に所属している限りは最低限の管理が必要です。

見切りをつけたとしても、クレームになったり取引先とトラブルになったりしないように、部下の行動は把握して指導する必要があります。

また、上司である以上、まったく仕事を与えないことはできません。部下ができる範囲の仕事を振る必要があります。

仕事ができない部下に見切りをつけても、結局は最低限の管理が必要なことは理解しておきましょう。

イライラする日々が続く

仕事ができない部下に見切りをつけると、イライラする日々が続いてしまいます。部下は見切りをつけられているため、仕事ができないままです。

そのため、仕事ができないままの部下と仕事をすることになります。部下の仕事ができない姿を見て、イライラしてしまうこともあるでしょう。

結果的に、ストレスが増えてしまうことになるかもしれません。

雰囲気が悪くなる

仕事ができない部下に見切りをつけると、職場の雰囲気が悪くなるおそれがあります。上司が部下を見切る行為は、周りのメンバーからしても決して気持ちの良いものではありません。

また、見切りをつけられた部下は、モチベーションが下がってしまうでしょう。下がったモチベーションが伝染したり、周りが気にしてしまったり、仕事に影響が出てしまいます。

仕事ができない部下に見切りをつけると、雰囲気が悪くなることは避けられないため、注意しましょう。

見切るべき部下と見切りをつけてはいけない部下の見極め方

ストレスを溜めたり職場の雰囲気を悪くしたりしないためには、見切るべき部下だけに見切りをつけることが大切です。では、どう見切るべき部下と見切りをつけてはいけない部下を見極めればいいのでしょうか。それぞれの特徴について紹介していきます。

見切るべき部下の特徴

仕事ができない部下を見切るには、いくつかポイントがあります。
見切るべきか迷っている上司の方は、参考にしてください。

謝ることがクセになっている

謝ることがクセになっている場合は、見切りをつけた方が良いケースが多いです。ミスをしても謝れば良いと思っている可能性があります。

謝れば良いと思ってしまっているなら、その後、改善する可能性は低いです。指摘してみて、改善の意志がなければ見切りをつけた方が良いでしょう。

失敗を認めない

失敗を認めない部下は、見切りをつけた方が良いでしょう。

自分の失敗を周りのせいにしたり、アドバイスを受け入れなかったりすると、雰囲気が悪くなってしまいます。

反省しなければ成長も見込めず、組織にとってメリットがありません。見切りをつけた方が、組織のためになるでしょう。

周りに迷惑をかけ続ける

周りに迷惑をかけ続けるタイプの部下は、見切りをつけた方が良いでしょう。その部下だけではなく、周りのメンバーや業務にも悪影響を及ぼしてしまいます。

例えば、仕事が遅れて周りに迷惑をかけたり、ミスをして余計な仕事を増やしたりするなどです。

そのような部下を放っておくと、上司の信頼も無くなってしまいます。見切りをつけるタイミングは慎重に検討しましょう。

ネガティブ発言がクセになっている

ネガティブ発言がクセになっている部下は、見切りをつけた方が良い場合があります。

良くないことを言える人は重要ですが、自分の不平不満をこぼしているだけなら注意が必要です。周りのモチベーションを下げたり雰囲気が悪くなったりしてしまいます。

自己中心的な人物が、組織に良い影響を与える可能性は低いです。思い切って見切りをつけるのも大事でしょう。

言われたことしかしない

言われたことしかしない部下は、見切りをつけるべきかもしれません。言われたことができている分良いですが、長期的に見ると成長しない人材である可能性があります。

言われたことだけする部下は、物覚えが悪く能動的に行動できない傾向にあります。教育しても変わらない場合、早めに見切りをつけておくのも手です。

仕事ができない部下の特徴については、「仕事ができない部下の4つの特徴を紹介!上司側のNG行動も解説」でも詳しく解説しています。

見切るにはまだ早い部下の特徴

一方で、部下に次のような特徴が見られるのであれば、まだ見切りをつけるべきではありません。

やる気がある

結果をあまり伴っていなくても、能動的でやる気がある部下に対しては、見切りをつけてはいけません。努力の方向性ややり方が間違っているだけで、仕事をできるようになりたいという熱意は人一倍強いことも多いです。

見切りをつけるのではなく、正しい方向性ややり方で努力できるように、うまく導くのが上司の役割です。

ゆっくり着実に成長している

同じように仕事を教えても、覚えたりできるようになったりするのが早い人もいれば遅い人もいます。何度か失敗してからでないと、できるようにならない人もいるでしょう。

成長が遅い部下に対しては、イライラしてしまうかもしれません。しかし、ゆっくりとでも着実に成長しているのであれば、暖かい目で見守りましょう。

いわゆる大器晩成型で、ある程度時間が経てば周りと同じくらいか、もっと仕事ができるようになっているかもしれません。

社会経験が足りない

社会経験の差が仕事の出来不出来に影響していることも多いです。社会経験が少ないと、基本的なマナーや常識がわからず失敗してしまうこともあります。気を利かせたり、如才なく振る舞ったりするのも難しいでしょう。

しかし、少しずつ社会経験を積めば、周りと同じように仕事ができるようになることも多いです。そのため、社会経験が足りていないようであれば、経験を積ませ、見切りをつけるのはもう少し待ってみましょう。

部下を見切る前に試したい対応3選

仕事ができない部下を見切るのは簡単ですが、見切る前に改善するのが理想です。仕事ができない部下を見切る前に試したい対応を解説します。

現在、仕事ができない部下がいて悩んでいる上司の方は、チェックしておきましょう。

対応①:簡単な仕事を割り振る

仕事ができない部下には、まず簡単な仕事を割り振りましょう。仕事ができない部下に圧倒的に足りないのは、成功体験です。

簡単な仕事を割り振ることで、成功体験を積ませましょう。何度か成功体験を積むと自信が出てきて、徐々に仕事ができるようになってくる場合もあります。

ポイントとして、「簡単な」仕事を割り振るようにしましょう。失敗して自信を失ってしまっては意味がありません。始めは誰でもできるような仕事を割り振り、徐々にレベルを上げていくのがコツです。

対応②:仕事ができない原因を考えてもらう

仕事ができない部下に、仕事ができない原因を考えてもらうのも対応策のひとつです。部下自身になぜ仕事ができないかを考えさせることで、仕事ができない原因が見つかるかもしれません。

仕事ができない原因は、あくまで部下自身に考えてもらうのが重要です。上司からの押し付けになってはいけません。

部下自身にゆっくり考えてもらうために、上司とは別の部屋で考えてもらう、考えている最中は口を出さないなどを意識すると良いでしょう。

対応③:部下が相談しやすい雰囲気を作る

仕事ができない部下に対して、相談しやすい雰囲気を作ってあげるのも手です。部下の仕事ができない原因が、相談できないからかもしれません。

相談しやすい雰囲気を作ると、部下がこれまでできなかったような仕事も、相談しながらできるようになる可能性があります。

しかし、相談しやすい雰囲気を作るのは簡単ではありません。挨拶を毎日する、プライベートな話をしてみるなどから始めてみると良いでしょう。

部下に見切りをつけた後はどうする?

仕事のできない部下に見切りとつけたとしても、それで現場が改善するわけではありません。上司としては、見切りをつけたら何かしらの対処や管理が必要です。では、どのようなことをすれば良いのか見ていきましょう。

同じ部署に居続けてもらう

見切りをつけた部下をほかの部署に異動させたり退職させたりすれば、代わりの人員を採用しなければなりません。採用後の育成も必要になるため余計なコストがかかります。

そのため、見切りをつけたとしても、現在の部署に居続けてもらうことを視野に入れてみましょう。そして、その部下が無難にできる仕事だけを割り振ります。

この場合、デメリットとして挙げたようなことはどうしても起こってしまうのは致し方ありません。上司や周囲の人が、仕事のできない部下にあまり期待せず受け入れられるのであれば、そのような選択肢も検討すると良いでしょう。

ほかの部署に異動してもらう

ほかの部署に異動してもらえば、現在とは別の仕事をすることになります。メリットで紹介したように、部下はより自身に適性のある仕事を見つけられるかもしれません。そうなれば、部下にとっても上司や周りの人にとってもプラスです。

しかし、部下を異動させるには、人事部門に打診しなければなりません。その際には、業務評価などの客観的な評価を忘れないようにする必要があります。打診の仕方によっては、単にその部下が嫌いだからと受け取られかねません。

退職勧告をする

仕事のできない部下があまりにも酷い場合には辞めてもらいたいでしょう。しかし、法律上、企業側は相応の理由を提示できなければ社員を解雇することはできません。仕事ができないだけでは難しいでしょう。

そのため、双方の合意の上で取れる手段として退職勧告という方法があります。ただし、部下から合意を得るためには、お互いに納得できる形で退職を促さなければなりません。

無理に合意を得ようとすると、退職を強要されたということで、パワハラ認定されるおそれもあります。また、うまく退職してもらえたとしても、現在ではネットに会社のネガティブな情報を発信されてしまうリスクもあるため、慎重に検討しましょう。

部下への対応を学ぶならTBLの企業研修が最適

仕事ができない部下への対応を学ぶには、外部の企業研修導入もひとつの手です。外部の企業研修を導入すると、客観的な視点から部下への対応を見直すことができます。

外部の企業研修なら東京・ビジネス・ラボラトリー(TBL)へご相談ください。TBLでは心理学のメソッドでコミュニケーション研修を行い、部下とのコミュニケーションや指導、育成をサポートします。

新たな視点や最新のノウハウを得られるため、仕事ができない部下に悩んでいる企業様におすすめです。興味がある企業様は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

まとめ

仕事ができない部下は組織全体に影響を及ぼすおそれがあります。
仕事ができない部下を見切るメリットやデメリットを理解し、タイミングを見て適切に対処していきましょう。

ただ、部下の育成、指導はトラブルにつながるケースもあるため、外部の企業研修導入も検討ください。TBLでは心理学のメソッドで部下とのコミュニケーションや関係構築のお手伝いをいたしますので、お気軽にご相談ください。