ワークライフバランスのメリット!実現するためには

従業員が職場に対する不満を抱えていると感じたら、企業としてワークライフバランスの実現に取り組む必要があります。働きやすいオフィス環境を整えることで、生産性アップを目指しましょう。 今回は、企業がワークライフバランスを実現するメリットや導入のポイントを紹介します。あわせて、企業が抱える課題についても解説しているため、ぜひ参考にしてください。


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ワークライフバランスとは

ワークライフバランスとは、「仕事と生活の調和」を意味する言葉です。

これまでは、とにかく仕事に打ち込むことが企業の発展につながると考えられてきました。しかし、仕事を重視するあまり私生活をおろそかにすることは、心身の健康に悪影響を与えるおそれがあります。結果的に、仕事のパフォーマンス低下にもつながります。

これを改善する考え方が、ワークライフバランスです。仕事と生活のどちらか一方に偏ることなく、バランスの取れた働き方をすることは、私生活の充実と仕事のパフォーマンス向上につながります。

ワークライフバランスは、これからの企業の発展には欠かせません。実際に大手企業を中心に、多くの企業がワークライフバランスを重視する取り組みをはじめています。

ワークライフバランス実現に向けた取り組みは、国からも推進されています。内閣府では2007年に「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章」を定め、誰もが仕事上の責任を果たしながら、さまざまなライフステージの変化にあわせて多様な生き方、働き方が選択できる社会の実現を目指すとしています。

また、仕事と生活の調和推進のための行動指針では企業が多彩な働き方を創出し、ワークライフバランス実現に向けて取り組むことを推奨しています。

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ワークライフバランスを重視する4つのメリット

ワークライフバランスの実現は、従業員だけでなく、企業側にもさまざまなメリットが期待できます。

ワークライフバランスを重視することで得られる、企業側のメリットを紹介します。

人材確保につながる

ワークライフバランスを重視すると、企業は優秀な人材の流出を防ぐことができます。

ワークライフバランスがとれた職場は、結婚や出産、介護などのライフステージの変化があっても、仕事を辞めることなく続けられるでしょう。

また、キャリアを継続させやすい環境が整うことで、優秀な人材が育ちやすくなります。ワークライフバランスを重視することは、企業の発展に欠かせない人材確保に役立つでしょう。

生産性向上につながる

ワークライフバランスを保つことは、生産性の向上が期待できます。

仕事と私生活のバランスを取るためには、無駄を省き、業務の見直しを行うことが必要不可欠です。より仕事がしやすい環境に整えることで、業務効率を上げることができます。

また、ワークライフバランスの実現によって従業員の私生活が充実することは、仕事へのモチベーションアップにつながります。積極的に仕事に取り組むようになれば、企業の生産性が向上するでしょう。

心の健康(メンタルヘルス)ケアにつながる

ワークライフバランス実現のために働きやすい環境を整えることは、従業員の心の健康、すなわちメンタルヘルス対策としても有効です。

業務効率が上がって仕事がしやすくなると、従業員はプライベートの時間を増やすことができ、しっかり休息が取れます。身体だけでなく、心の健康状態も良好に保ちやすくなるでしょう。

企業イメージが良くなる

ワークライフバランスを重視することは、企業イメージの向上が期待できます。従業員の健康やプライベートを顧みない、いわゆる「ブラック企業」は、世間から非常に厳しく評価されます。

ワークライフバランスを重視する企業は、従業員を大切にする優良企業、安心できる企業としてイメージアップが期待できるでしょう。

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ワークライフバランスにおける課題

ワークライフバランスの実現に向けた取り組みは、一朝一夕にできるものではありません。

ワークライフバランスは、従来の働き方を刷新する考え方のため、経営陣の理解と積極的な関与が必要不可欠です。

しかし、経営陣が新しい取り組みにかかるコストや手間を敬遠する場合、ワークライフバランスの実現に消極的な傾向があります。とくに企業文化を大切にしてきた老舗企業では、これまでの文化をいきなり一新するのは難易度が高いでしょう。

また、「これまでの働き方で問題なかった」という意識から、経営陣が長時間労働や従業員が抱えるメンタル不調をデメリットとして捉えられない場合もあります。ワークライフバランスの重要性の理解を得られないと、職場改革は思うように進まないでしょう。

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ワークライフバランス実現の取り組みを成功させるには

ワークライフバランスの実現に必要なのは、ただ従業員に休みを取らせるだけではありません。

最後に、ワークライフバランス実現に向けた取り組みを成功させる方法を紹介します。

経営戦略として取り入れる

ワークライフバランス実現に向けた取り組みは、現場における単なるプロジェクトであってはなりません。現場任せではなく、経営戦略として取り入れるのが重要です。

そのためには、ワークライフバランスがなぜ必要なのかを経営陣が理解することが大切です。制度づくりだけでなく、ワークライフバランスが社内の本質的な課題解決やマネジメントの改善に役立つことを、しっかり周知しましょう。

また、必要に応じて社外リソースの活用も検討しましょう。

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長時間労働を減らす

残業や休日出勤が常態化している職場では、従業員は「あとで終わらせれば大丈夫」と効率の悪い働き方をしている可能性があります。

長時間労働を減らすには、従業員に労働時間を意識させることが大切です。

長時間労働の対策には、残業や休日出勤を一律禁止とするのが効果的です。また、残業時は事前の理由書の提出や申請制度を導入することで、重要度の低い時間外労働の削減に役立つでしょう。

勤務形態を選べるようにする

幅広い勤務形態を導入し、従業員が選べるようにするのも効果的です。

都合に合わせて勤務時間を選べる「フレックスタイム制度」、働く場所を固定せずに通勤の無駄をなくせる「テレワーク」、働く時間を固定しない「短時間勤務制度」など、勤務に柔軟性をもたせましょう。

複数の勤務形態を導入する際は、テレワークや短時間勤務の従業員がフルタイムの従業員よりも評価が下がることがないように、評価制度を整えることが重要です。働いた時間だけでなく、成果や取り組みに関する評価基準を設け、すべての従業員が公平な評価を受けられる制度を整えましょう。

休暇を取りやすくする

制度を整えて、従業員が休暇を取りやすくする配慮も必要です。

有給の取得は労働者の権利でも、従業員は上司や職場に気兼ねして休みにくいものです。誕生日などのちょっとした記念日に有給が使える「アニバーサリー休暇」や、運動会をはじめとする家族の行事日に優先的に休める「行事休暇」を取り入れると、仕事と私生活の両立がしやすくなるでしょう。

また、育児休暇の取得を推進することも重要です。育児休暇は子どもが1歳に達する日の前日までの休業を認める制度です。法的には男女平等に取得可能ですが、世間では依然として「女性従業員が取得するもの」という認識が強くあります。

ワークライフバランスの実現には、男性の育児休暇への理解と取得の推進が必要です。

これまで女性中心だった育児休暇を男女ともに取得しやすくなれば、出産や育児をきっかけとする離職を防ぐことにつながるでしょう。

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まとめ

ワークライフバランスの実現には、さまざまなメリットがあります。とはいえ、従来のやり方を刷新するには、ある程度の時間がかかるのは仕方がありません。あせらずに、中長期的な視野で取り組みましょう。

ワークライフバランスは、従業員のメンタルヘルス向上にも役立ちます。将来への投資と考えて、ぜひ前向きに取り組んでください。