部下とのコミュニケーションのコツ9選!うまくいかない原因やNG行動も紹介

部下とのコミュニケーションがうまく取れていないのであれば、それは組織にとって重要な課題のひとつになります。部下と円滑なコミュニケーションが取れれば、組織としてより成長できるでしょう。 本記事では、部下とのコミュニケーションが必要な理由やコツ、避けるべき行動を解説します。 職場の雰囲気に問題を抱えている上司の方は、本記事を参考に部下とのコミュニケーションを見直してみましょう。


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部下とのコミュニケーションが重要な理由


部下とのコミュニケーションが重要な理由は、社内に良い循環を生み出すためです。コミュニケーションの質を向上させられれば、部下のモチベーションが上がり、仕事の効率や生産性を高められます。

部下一人ひとりの成長は、組織の成長にもつながります。部下が仕事に意欲的になれば、上司も指示やサポートを積極的に行いやすくなるでしょう。

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部下とコミュニケーションを取るメリット

組織において、部下との円滑なコミュニケーションは非常に重要です。まずは、部下・上司・会社、それぞれが得られるメリットについて解説いたします。

コミュニケーションの重要性については、こちらの記事でも詳しく触れています。

職場のコミュニケーションの重要性|活性化する取り組みや事例を解説

部下側のメリット

円滑にコミュニケーションを取ることで得られる部下側のメリットは、大きく分けて3つです。それぞれ順番に解説します。

成長につながる

円滑なコミュニケーションが取れていれば、業務やメンタル面での悩みや課題を打ち明けやすくなります。部下の能力や状況に合わせた、適切なアドバイスをしてもらえる機会が増えるでしょう。組織目標や個人目標の達成に向けて、成長することができます。

ストレスを一人で抱える心配がなくなる

日ごろからコミュニケーションが活発な組織であれば、悩みを一人で抱えることはありません。信頼できる上司に都度相談できるため、必要なサポートをしてもらえます。

ストレスを誰にも相談できず、離職を検討し始めるといった事態は起こらなくなるでしょう。

モチベーションが向上する

上司が仕事の状況を把握して適度に声かけやアドバイスを行ってくれるため、「自分のことを気にかけてくれている」と認識でき、モチベーションが向上します。

パフォーマンスを最大限に発揮できれば、生産性も向上するでしょう。

上司側のメリット

コミュニケーションのメリットがあるのは部下だけではありません。質の高いコミュニケーションは、上司側にとってもメリットがあります。

部下のサポートができるようになる

コミュニケーションが円滑に取れていると、部下の状況を的確に把握できます。トラブルに早急に対応したり、未然に防いだりなど、適切なサポートが行えるでしょう。結果として、チーム全体の業務レベルを向上させられます。

仕事の指示を与えやすくなる

日ごろのコミュニケーションを通して、一人ひとりの仕事量や能力が把握できれば、部下にとってより適性のある業務を割り当てられます。

また、業務量や課題をチーム全体で共有することで、過度な量の業務を割り振ってしまう事態も防げます。生産性の向上や、離職率の低下にもつながるでしょう。

部下からの信頼を得られる

コミュニケーションを取りやすい雰囲気・環境を作れば、部下からの信頼を得られるでしょう。部下が悩みや問題を相談しやすい関係性を築くことで、チームの結束力も強くなります。

上司がチームの状況を的確に把握している組織では、円滑に業務が進むようになります。

会社側のメリット

社員同士の円滑なコミュニケーションは、会社側にもいくつかのメリットがあります。組織運営の観点からあげられるコミュニケーションのメリットは、次の3つです。

生産性が向上する

コミュニケーションが活発化すると、生産性の向上にもつながります。チーム全体が効率的に稼働するためには、情報の共有が素早く行われなくてはなりません。

円滑にコミュニケーションを取れる環境なら、自然と情報共有のスピードは早くなり、問題発生時の報告や課題解決に役立ちます。

また、日々のコミュニケーションを通じてメンバー同士の理解が深まることも大きなポイントです。誰がどの作業を得意とするか、誰に仕事を振るべきか判断しやすくなり、生産性を向上させられます。

会社全体の目標が定まりやすくなる

円滑なコミュニケーションによる生産性の向上により、会社全体の目標設定にも良い影響が期待できます。

会社全体の目標は、現状の生産性や社員のモチベーション、目標達成率などを客観的に評価して、実現可能な範囲で定めることが大切です。高いコミュニケーションにより生産性が向上している状態なら、目標をスムーズに設定しやすくなります。

風通しの良い環境なら、目標達成のために誰が何をするべきか相談しやすいため、高い達成率も期待できます。

離職を抑制できる

社員の離職を抑制する方法としても、コミュニケーションの活発化は効果的です。

前述の通り、コミュニケーションを取りやすい環境はメンバー同士の理解度を深めたり、生産性を向上したりします。誰もが気持ち良く積極的に働けるため、全体の雰囲気が良くなります。

社員が離職を考える理由は、さまざまです。しかし根本的な部分を見ると、人間関係や評価制度への不満など、コミュニケーション不足を遠因とする悩みが少なくありません。トラブルや悩みを相談して早期に対処できる環境なら、離職の抑制につながります。

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部下とのコミュニケーションがうまくいかない原因

部下とのコミュニケーションがうまくいかない原因は、部下の育ってきた環境に起因するもの、上司自身の姿勢によるものなどがあります。

ここでは、代表的な例を紹介します。

世代間のギャップがある

上司と部下の間に大きく年齢差がある場合、コミュニケーションが上手くいかないケースは珍しくありません。

昨今の若い世代は、SNSを通したインターネットでのコミュニケーションが得意な一方で、対面でのコミュニケーションには慣れていない傾向にあります。

上司と部下、それぞれの世代における特徴を理解することが大切です。

例えばZ世代への教育・コミュニケーションに関するポイントは、こちらの記事で解説しています。

Z世代新入社員の特徴とは?育成のポイントやNG対応を解説

コミュニケーションを取りにくい雰囲気がある

上司が忙しい場合や、外出が多く部下と一緒にいる時間が少ない場合は、コミュニケーションがおろそかになりがちです。また、部下が雰囲気を察して、コミュニケーションを取りにくくなっている傾向にあります。

下記のような状況になっていないか、振り返ってみましょう。

・個別に話す機会が少ない
・テキストコミュニケーションが多い
・不満や疲れが顔に出ている

心当たりがある場合、気軽に相談できない職場になっている可能性があります。

リモートワークの増加

昨今は社会情勢の変化から、「週〇日はリモート可」など、勤務体制にリモートワークを組み込んでいる企業も増加しています。相対的に、対面でコミュニケーションを取る機会は減少している状況です。

リモートワークの最大の欠点は、部下の業務量や悩み、変化などに気付きにくくなる点です。些細な変化を見落とさず、細やかなコミュニケーションを心がけましょう。

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部下と適切なコミュニケーションを取るコツ9選

部下とコミュニケーションを取るときは、いくつかのポイントを押さえておくと成功しやすくなります。ここでは、コミュニケーションのコツを9つ解説します。

1.話しかけやすい雰囲気を醸成する

部下に心を開いてもらうためには、いつでも躊躇なく話しかけられるような雰囲気作りが大切です。

明るく親しみやすい、話しかけやすい雰囲気を作るコツは、下記の通りです。

・明るい声で話す
・常に笑顔を意識する
・プラスの感情は大げさに出す

忙しいときも、意識して明るい声や表情を維持しましょう。忙しくて対応できないときの「後にしてほしい」という一言も、不機嫌な声と明るい声では印象が大きく異なります。

部下が上司に接しにくい印象をもっていると、報連相が遅れたり組織として作業効率が下がったりするおそれがあります。些細なトラブルでも早期に共有してくれるような、「相談しやすい上司」「話をしやすい上司」を目指しましょう。

2.コミュニケーションを習慣化する

コミュニケーションを習慣化すると、部下と信頼関係を築きやすくなります。たまに話す程度の上司よりも、毎日話しかけてくれる上司の方が信頼感を抱きやすいからです。

コミュニケーションは、必ずしも仕事の話でなくてもかまいません。天気や時事ネタなど、何気なく話せる話題だと、部下も話しやすいでしょう。

コミュニケーションを習慣化するためには、タスク化がおすすめです。毎日5分でも10分でも良いので、部下とのコミュニケーションの時間を組み込んでおきましょう。

3.部下の立場に立って考える

一方的な思いやりではなく、部下の立場に立って物事を考えて判断・指導する必要があります。

例えば失敗したとき、原因は指導不足なのか、本人の経験不足なのか、ケアレスミスなのかによって、とるべき指導方法はさまざまです。部下の経験レベルや得意・不得意分野を理解した上で対策を練ることが大切です。

直面している課題や、部下が描いているキャリアビジョンも考慮したアプローチが求められます。部下一人ひとりの立場を理解することで、成長を促せるコミュニケーションを取れるようになります。

部下のタイプごとに適した指導や育て方については、こちらの記事で解説しています。

【タイプ別】部下の指導・育て方|指導スキルや心がけるべきことを解説

4.聞く姿勢を意識する

話を聞くときの姿勢も、相手に配慮しましょう。相手が話しやすいと感じるかどうかは、聞き手の態度にも左右されます。

聞き手として相応しい態度は、下記の通りです。

・作業中でも手を止めて話を聞く
・顔だけでなく体を話し手に向ける
・途中で話に割り込まず、最後まで聞く
・即断即決は避ける
・共感的な理解を示す

聞き手としては意識を十分に向けて対応しているつもりでも、作業の手を止めなかったり顔や体をあさっての方向へ向けたりしたままの姿勢は、相手を不安にさせます。非言語コミュニケーションが与える効果を意識して、受け入れの姿勢を表すことが大切です。

話の途中で「つまり、こういうことでしょ」「それは違うよね」と割り込むことも、好ましいとはいえません。質問があるときは無理に話の腰を折るのではなく、タイミングを見計らって挟みます。

次回以降も部下が安心して相談・報告できるように、きちんと向き合って聞く態度を心がけましょう。

5.部下の提案や意見を積極的に取り入れる

理にかなっていると判断できるものは、部下の意見や提案も積極的に取り入れましょう。

ただし、単純に提案を採用すれば良いわけではありません。提案内容を参考に、より良い結果を得られるように発展させていくためのプロセスも構築し、部下とともに実行へ移します。

単独で任せたり、上司が代行したりするのではなく、ともに取り組むほうが部下の成長につながります。部下に自分の考えが尊重されていることを実感させ、建設的な対話による新たなアイデアの発見、発展を促すことが大切です。

6.仕事の目標を伝えて納得してもらう

部下が自身の目標を理解していると、上司も部下とコミュニケーションを取りやすくなります。

普段の業務では、「なぜこの仕事をやるのか」「どういった成果につながるのか」といったことを把握する機会はありません。業務の意義を見失うと、モチベーションの低下や業務効率の低下を引き起こします。

目標に対する期待値も、具体的に設定して伝えることが大切です。期待値の設定は、例えば下記の例があげられます。

・目標設定(短期・中期)
・設定した目標の達成基準
・評価のポイント・基準
・具体的な望ましい行動・姿勢の例
・チームにおける役割

目標は短期・中期それぞれ設定して、どのような状態になったらクリアとなるのか、達成基準も伝えましょう。評価のポイントや基準を共有するほか、具体的にどのような行動や姿勢が望ましいのか例を見せる方法も効果的です。

注意や指摘も、同じ目標に向かっていれば部下は納得しやすくなります。納得してもらうためには、目標達成するメリットを具体的に伝えると良いでしょう。

7.建設的な提案をする

課題や改善点を指摘するときは、建設的な提案を心がけることが大切です。

もともと脳には耳で聞いた内容を額面通りに受け取り、行動に反映させる性質があります。否定的な表現をすると、脳は「責められた」「否定された」ことを意識してしまい、改善への意欲が削がれかねません。

成長を促すためには、部下本人のモチベーションを上げることが大切です。建設的な提案をしたほうが、部下は学習や改善へ意欲的に取り組みやすくなります。

また、フィードバック時は一方的に指示するのではなく、一緒に考えることも成長を促すコツです。具体的な事実をあげて、どのような方法で改善すべきか、今後のアクションプランを部下と一緒に考えましょう。部下自身にも考えてもらうことで、成長支援の効果が高まります。

8.上司のスケジュールを部下に共有する

上司のスケジュールは部下に共有するようにしましょう。部下は上司のスケジュールを知っていると、話しかけるタイミングを見計らいやすくなります。

部下は上司のスケジュールが分からないと、急に初めての仕事を進めることになっても、いつ相談できるかが分からなかったり、場合によっては自身の予定も崩れたりして、不安やストレスを感じる原因になります。

予算や経営に関する会議の予定も共有すれば、部下は社内で起きていることを把握しやすくなります。社内のシステムやGoogleカレンダーを使えば簡単にできるため、実践しましょう。

9.些細なことでも褒める癖をつける

部下は褒めて伸ばしましょう。褒められて嫌な人はいません。些細なことでも褒めるように意識することが大事です。

意識しなければ、意外と人を褒める機会は少ないです。褒められないと、部下は自分の存在意義を見失ってしまいます。

部下は褒められるとモチベーションが上がり、さらに高い目標を目指せるようになるでしょう。褒めるのはスピード感が大事です。部下の良い点を見つけたらすぐに褒める癖をつけましょう。

職場のコミュニケーション課題や解決方法については、こちらの記事で詳しく紹介しています。

職場のコミュニケーションの課題|解決するためにできること

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部下とのコミュニケーションで避けるべき5つの行動

部下とのコミュニケーションは大事ですが、注意すべきポイントもあります。部下とのコミュニケーションで避けるべき行動は、下記の5つです。

・相手によって態度を変える
・社内や人前で叱責する
・自分の非を認めない
・他人の意見に耳を傾けない
・ネガティブな雰囲気を与える

上記のポイントを意識しないと、部下とのコミュニケーションが逆効果になってしまう可能性もあります。上司の方は必ずチェックしておきましょう。

1.相手によって態度を変える

相手によって態度を変えるのはNGです。上司も人間である以上、好き嫌いはありますが、上司としてはなるべく平等に接するようにしましょう。人によって態度を変える上司は、人間としても尊敬されません。

ただ、はっきり言うべきときはあります。平等な対応は心がけつつ、八方美人にはならないように注意しましょう。

2.社内や人前で叱責する

他の人がいる場では叱責しないようにしましょう。たとえ正しいことを言っていたとしても、部下は周りを気にしてしまい、内容が頭に入ってきません。

人前での叱責は、相手のプライドや自尊心を傷つけます。問題を報告しなかったり、相談をしてくれなくなったりという負の循環を引き起こす可能性が高いです。

注意・指摘があるときには人前は避け、部下の意見も聞けるような環境づくりが必要です。

叱り方のポイントはこちらの記事でも詳しく解説しています。

部下の叱り方のコツとは?信頼関係を築きながら成長を促す方法を紹介

3.自分の非を認めない

自分がミスをしたら、相手が部下であろうとしっかり謝りましょう。自分の非を認めない上司は人としても尊敬されません。自分のミスを部下のせいにするのはもってのほかです。

上司にミスがあっても、なかなか部下からは指摘できません。適切なコミュニケーションを取るためには、人として尊敬される行動を意識しましょう。

4.他人の意見に耳を傾けない

相手が部下だからといって、意見をないがしろにしてはいけません。部下にミスがあったときに、理由を聞かず頭ごなしに責め立てるのはNGです。上司の思い込みで叱ってしまっているケースもあります。

ミスがあったときは、なぜミスが起きてしまったのかを部下自身に考えてもらうことが大事です。上司が知らなかった原因があるかもしれないので、人の意見には耳を傾けるようにしましょう。

5.ネガティブな雰囲気を与える

ネガティブな雰囲気は、部下にマイナスな影響を与えてしまいます。上司がネガティブな雰囲気を与えると現場全体がネガティブになり、作業効率が落ちてしまいます。

ストレスが溜まったときは愚痴を言いたくなるかもしれませんが、グッとこらえましょう。少なくとも社内にいるときは、部下のモチベーションを上げるような発言が望ましいです。

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部下とのコミュニケーションを円滑にするために企業向けの外部研修を導入しよう!

部下とのコミュニケーションを円滑にするには、企業向けの外部研修の導入もひとつの手です。企業向けの外部研修を導入すると、客観的な視点から部下とのコミュニケーションを見直せます。

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上司・部下間でのコミュニケーションで悩んでいる企業様は、ぜひお気軽にご相談ください。

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まとめ

部下とのコミュニケーションは組織全体に影響を及ぼすため、意識すべきポイントのひとつです。本記事で紹介した適切なコミュニケーションを取るためのコツや避けるべき行動を知ると、より良いコミュニケーションに近づきます。

ただ、部下とのコミュニケーションはトラブルも多いため、企業向けの外部研修の導入をおすすめします。東京・ビジネス・ラボラトリー(TBL)では心理学のメソッドで部下とのコミュニケーションや関係構築のお手伝いをしますので、お気軽にご相談ください。

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